(7日、Bリーグ1部第1節 宇都宮ブレックス80―73群馬クレインサンダーズ) 宇都宮はホームでの開幕戦を勝ち切った。群馬相手に80―73。課題は多く出たが、それでも選手一人ひとりが持ち味を発揮した。ブレックスらしいチーム一丸の勝利だった…

 (7日、Bリーグ1部第1節 宇都宮ブレックス80―73群馬クレインサンダーズ)

 宇都宮はホームでの開幕戦を勝ち切った。群馬相手に80―73。課題は多く出たが、それでも選手一人ひとりが持ち味を発揮した。ブレックスらしいチーム一丸の勝利だった。

 ただ、試合後の場内インタビューに呼び出された人気者は少し困った顔をしていた。

 ブレックスの日本代表、比江島慎(まこと)。前半は無得点。後半は勝負どころの攻めが奏功して9得点を重ねたものの、「本当に要所要所だけでしたね」と本人も苦笑いのパフォーマンスだった。

 ワールドカップのベネズエラ戦では終盤に3点シュートを立て続けに決め、最大15点差を逆転する原動力になった。日本代表で最年長の33歳は世界を相手に勝利するという悲願を果たし、より自信を深めて、新たなシーズンに臨んでいた。

 2季ぶりの王座奪還を狙うチームでエース格を務める比江島が、今季のテーマの一つとしているのが「シューターとしての動き」をよりスムーズにすることだ。

 第1クオーターは味方のパスを受けて3点シュートを放つ「キャッチアンドシュート」を2度試した。ボールはリングを通過しなかったが、チームから求められる役割をこなしつつ、自身の攻めの引き出しを増やそうとプレーしている姿が印象的だった。

 後半には3点シュートを決め、話題となっている、指を3本立てて体の前に出す喜びのポーズを「控えめ」に披露した。注目されるチーム開幕戦には、主催試合で栃木県内では最多となる5626人が集まっていた。

 恥ずかしがり屋の比江島だが、「バスケットの認知度が少しでも上がるなら」と、プロとして観客を喜ばせることを忘れなかった。(野村周平)