フィギュアスケートのジャパンオープンは7日、日本、北米、欧州の3地域対抗の団体戦形式で、さいたまスーパーアリーナで行われた。プロアマ混合の男女2人ずつによるフリーの合計点で争われ、日本が2連覇を果たした。北米が2位、欧州が3位だった。 男…

 フィギュアスケートのジャパンオープンは7日、日本、北米、欧州の3地域対抗の団体戦形式で、さいたまスーパーアリーナで行われた。プロアマ混合の男女2人ずつによるフリーの合計点で争われ、日本が2連覇を果たした。北米が2位、欧州が3位だった。

 男子は、昨季の世界選手権6位の友野一希(上野芝ク)が177・72点で2位につけ、昨年の全日本選手権2位の島田高志郎(木下グループ)が3位でまとめた。1位はイリア・マリニン(米)で193・91点。

 女子は世界選手権2連覇中の坂本花織(シスメックス)が149・59点で1位。日本チームの一員として演技したプロスケーター、宮原知子は4位に入った。

■坂本花織は「精いっぱい出せて満足」

 日本女子として初めて世界選手権を連覇した実力を、坂本花織が見せつけた。

 直前に滑った選手は、ほぼミスのない演技を披露。それでも、重圧などなかった。冒頭は坂本らしい飛距離のあるダブルアクセル(2回転半)。余裕のある着氷で流れをつかむと、七つのジャンプ要素全てで加点を引き出した。表現力などを評価する演技構成点も、3要素とも10点満点中9点前後をマークした。

 振り返れば、昨年のこの大会も1位だった。ただ、同じ順位でも当時とは意味合いがまるで違う。

 昨季について、「モチベーションが下がっていた」と坂本は言う。銅メダルをつかんだ北京五輪の翌シーズンとあって、無理もなかった。序盤はグランプリ(GP)シリーズで優勝するなどしたが、まもなく息切れ。肝心のGPファイナルは5位に沈んだ。最後は復調して世界選手権を制したが、起伏の激しいシーズンだった。

 反省を生かし、今季に向けてはオフの過ごし方を見直したという。例えば、約1週間氷から離れ、友人との旅行を楽しんだ。「メリハリを付けた生活をして、心身ともに良い状態。練習も前向きにできている」

 この日は、2位に約10点差をつける149・59点。充実のスコアに、「今できる精いっぱいを出せて満足」。フル充電を終えた23歳が、世界選手権3連覇へ向け好スタートを切った。(藤野隆晃)

■マリニンはクワッドアクセル着氷

 北米チームのイリア・マリニンは冒頭でクワッドアクセル(4回転半)を着氷させ、男子1位となる193・91点の高得点をマークした。この日は他にも、3種類4本の4回転ジャンプに挑んだ。高難度ジャンプが代名詞の18歳。銅メダルをつかんだ今年3月の世界選手権では「(ジャンプの)リスクの取り方は難しい」と漏らしていたが、挑戦する姿勢は健在だった。

 友野一希 「落ち着いてまとめられたが、演技には納得していない。グランプリ(GP)シリーズに向けて切り替えたい」

 島田高志郎 「4回転トーループが2回転になるなど、ミスがあった中でも耐えられた。世界観を大事に滑り込みたい」

 宮原知子 この日限りの競技復帰。「久しぶりの試合で不安もあったが、やれることをやろうと臨んだ。曲の壮大さを感じながら演技できた」