男子プロバスケットボールBリーグ3部(B3)の香川ファイブアローズは6日、湘南ユナイテッドBCとのアウェー戦で2023―24シーズンの開幕を迎える。B3に降格して迎える今季は11選手が新加入し、B2への返り咲きを目指す。9月下旬に天皇杯で…

 男子プロバスケットボールBリーグ3部(B3)の香川ファイブアローズは6日、湘南ユナイテッドBCとのアウェー戦で2023―24シーズンの開幕を迎える。B3に降格して迎える今季は11選手が新加入し、B2への返り咲きを目指す。9月下旬に天皇杯でB1のチームを相次いで破るなど上り調子で、躍進への期待が高まる。

 チームの中心となるのは、新戦力で米国出身のイバン・ラベネル選手(33)。身長203センチ、体重113キロの大型センターは、Bリーグ前身の「bjリーグ」琉球ゴールデンキングスに所属していた15―16シーズンのプレーオフ決勝でMVPに輝くなど経験豊富だ。「みんなでボールを動かして、チームバスケットができるようにしたい」と献身的な活躍を誓う。

 同じ米国出身で9月中旬に新加入が決まったアンドリュー・ランダル選手(33)は、安定感のあるボールハンドリングと得点能力に優れる。山形ワイヴァンズ(B2)でプレーした20―21シーズンはリーグ得点王になった実績がある。

 日本人選手も実力派のベテランが加入した。元日本代表で愛称「KJ」こと松井啓十郎選手(37)は、3点シュートの決定力が光る。9月にあった愛媛オレンジバイキングス(B2)とのプレシーズンマッチの勝負どころで立て続けに3点シュートを決めた。「試合に出たい気持ちが大きくてここに来た。これまで経験してきたことをチームに落とし込み、開幕までに100%の力が出せるように準備する」と語る。

 アローズは9月22~24日、北海道であった天皇杯2次ラウンドで今季の戦力の充実ぶりを見せつけた。

 ラベネル、ランダル両選手を中心に得点を重ね、茨城ロボッツ(B1)を延長の末に破ると、レバンガ北海道(B1)に対しても、今季から指揮をとる籔内幸樹ヘッドコーチの下で取り組んできた「ディフェンスを中心に素早いバスケ」を発揮し、2試合続けての「金星」をつかんだ。

 続く名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(B1)戦で敗れ、3次ラウンド進出こそ果たせなかったが、シーズン開幕を前にチームは手応えを感じた。

 籔内ヘッドコーチは「確実に成長できた部分と、(課題が)見えた部分がある。これをシーズンにつなげたい」と冷静に分析している。

 アローズは21―22シーズンに初のB2地区優勝を果たし、プレーオフでB1昇格まであと1勝と迫った。しかし、昨季(22―23シーズン)は主力選手の移籍や故障者が相次ぎ、16勝44敗で地区最下位でB3に降格した。

 1シーズンでのB2復帰を狙うが、今季はこれまでのシーズンよりも観客動員数や売り上げにこだわる必要がある。26―27シーズンから始まる新リーグで、今のB2にあたる「Bワン」への参入を目指すため、今季は平均入場者数1500人以上の達成が必須だ。

 昨季は平均入場者数758人でハードルは高いが、観客動員数が増えれば、グッズ収入などの売上高も伸びる。ブースター(ファン)に足を運んでもらうことがカギを握る。生岡直人社長は「今年が勝負。なんとか観客動員数や売上高の達成も、B2昇格も全部やりきりたい」と話す。

 今季ホーム開幕戦は14、15日、高松市総合体育館で、徳島ガンバロウズと顔を合わせる。2連戦で観客動員数計5000人を目標に掲げ、来場を呼びかけている。中学生以下は今季から導入される「こども未来パス」を使えば、2階自由席が無料になる。

 詳細やパスの発行については、アローズ公式サイト(https://www.fivearrows.jp/news/detail/id=16435)へ。(和田翔太)