Mスポーツ・フォードは、オィット・タナックが2023年いっぱいでチームを離れる決断に至ったことを発表した。 2023年に古巣のMスポーツ・フォードに復帰したタナックは、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1での初めてのシーズン、ここまで…

Mスポーツ・フォードは、オィット・タナックが2023年いっぱいでチームを離れる決断に至ったことを発表した。

2023年に古巣のMスポーツ・フォードに復帰したタナックは、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1での初めてのシーズン、ここまでの11戦中、通算29回のステージウインをマーク。さらに、先週開催された第11戦ラリーチリ・ビオビオ(グラベル)では、第2戦スウェーデン以来となるシーズン2勝目をマークした。

開幕戦モンテカルロでは、新マシンでの習熟に努めながらコンペティティブな走りを披露。翌スウェーデンではこのマシンでの初めての勝利を収めた。第4戦クロアチアではステージウイン2本を含むトップ3タイムを10度記録して2位でのフィニッシュを決め、タイトル争いも現実的な可能性を残していた。しかし、シーズン中盤は度重なるマシントラブルや不運に見舞われ、WRCチリでは優勝を飾ったものの、ここでタイトルの可能性は消滅している。

今季の残り2戦、新規イベントのセントラル・ヨーロッパラリーと最終戦ジャパンでも、目指す先とそれに向けての情熱はこれまでと変わらないとチームは伝えている。チームは今後、WRCのトップクラスで戦い続けるための適切な道筋を見つけることに全力を注ぐことになる。Mスポーツはこの20年間、ラリー1の次世代を担う才能を発掘し、新進気鋭のドライバーの育成を続けてきた。

タナック、コ・ドライバーのマルティン・ヤルベオヤとの現在の関係は終わりを迎えようとしているが、チームは今季を含め、これまでのシーズンに活躍を収めてきたクルーのプロフェッショナリズムと献身への感謝と、今後の活躍の祈念を伝えている。

Mスポーツ・フォード のチーム代表、リチャード・ミルナーは「今季、オィット、マルティンと一緒に活動することができたのは、喜びだった。彼らをMスポーツに復帰させるという夢を実現するために、多大な努力を費やした。残念ながら、思うように物事が進まないこともあるし、今季いっぱいでチームを離れるという彼らの決断を我々は受け入れ、2024年に向けて何ができるかを考える必要がある」とコメント。
「この機会を借りて、オィットやマルティンとともにこのプロジェクトに全力を尽くしてくれた、Mスポーツのみんなに感謝を伝えたい。彼らの努力は2度の勝利で報われたが、不運に見舞われても決してあきらめなかったことが、チームの強さと決意を示すことにほかならない。今季はまだ2戦残っているが、我々が目指すことは変わらず、さらにトップリザルトを収めることだ」

Mスポーツのチェアマン、マルコム・ウィルソンは「まず、オィットとマルティンの今季の尽力に感謝したい。振り返れば、今季は滑り出しは順調で、オィットはモンテカルロでラリー1マシンでのベストリザルトをマークし、続くスウェーデンでは優勝を飾った。しかし、その後は苦戦を強いられ、チリでは素晴らしい勝利を収めたが、今シーズン、我々の夢は実現することができなかった。1シーズンだけでオィットがチームを離れるのは、私個人としては非常に残念だが、彼の今後の活躍を心から祈っている」とコメント。

「また、日ごろから全力を尽くしてこのプログラムに取り組んでくれているチームのメンバー全員に感謝したい。いい時も厳しい時も、彼らの仕事ぶりには感動を与えてもらっている」

1シーズンのみでMスポーツ・フォード離脱を決断したタナックは「Mスポーツ・フォードWRTと一緒に過ごした今年は、あっという間に過ぎてしまった。あのような巨大マニュファクチャラーを相手に2勝を収められたことを誇りに思うし、シーズン序盤は選手権タイトルを争うこともできていた」とコメント。
「しかし、ラリーはタフなスポーツで、残念ながら何度も苦戦を強いられたが、それでもみんなが自分たちに最高のチャンスを与えようと懸命に努力してくれた! これからのシーズンもMスポーツファミリーのみなさんのご活躍を祈っているし、この先、いい戦いができることを楽しみにしている」