秋のGIシリーズ開幕を告げる電撃の6ハロン戦。外回りコースを使用する中山競馬場芝1200mはスタートからなだらかな下りが続き、最後に急坂が待ち構える難コース。下級条件ならともかく、GIレースの舞台だけにスピードはもちろんだが、最後にもう…

 秋のGIシリーズ開幕を告げる電撃の6ハロン戦。外回りコースを使用する中山競馬場芝1200mはスタートからなだらかな下りが続き、最後に急坂が待ち構える難コース。下級条件ならともかく、GIレースの舞台だけにスピードはもちろんだが、最後にもうひと頑張りできるスタミナも要求される。

 ◎マッドクールは今年1月のシルクロードS3着で、春雷Sの優勝馬。当時4連勝中で挑んだシルクロードSは重賞初挑戦の身だったが、ナムラクレアを抑えて1番人気、レースでも堂々逃げてゴール前まで見せ場を作り、ナムラクレア、ファストフォースから差がない3着だった。その後、春雷Sでコースも経験して適性も証明済み。前走の敗因をプラス体重だけに求めるのはやや無理があるかもしれないが、それでも見限れない魅力がある。

 〇ウインマーベルは昨年の2着馬。最後の直線ではインコースの苦しいところに入ってしまったが、先に抜け出したジャンダルムを激しく追い詰めた。その後、シルクロードS、高松宮記念は外枠に泣かされ、前走はスタートでゴチャついて後方からの競馬を余儀なくされた。京王杯SCの内容、結果からベストディスタンスが1200mかどうか迷うところだが、それでも守備範囲であることは間違いない。

 ▲アグリは阪急杯優勝馬で、セントウルS2着。先行力を武器にマイル前後を主戦場としていたが、距離短縮で素質が開花。春の高松宮記念は最後の直線で1度は先頭に立つ積極的なレース運びで見せ場を作り、前走は後方待機策から残り100mで強烈な末脚を披露して2着に食い込んだ。

 △ピクシーナイトは一昨年の優勝馬。長い休養のち復帰して3戦。いまだに掲示板すらないが、京王杯SCはコース適性にやや疑問があったうえに最後の直線で包まれるような不利があり、休み明けの前走はスタートでミスがあって流れに乗れなかった。連続して使えるということは脚元に不安はないということだろう。今春の高松宮記念2着△ナムラクレア、重賞6勝△メイケイエールの実績は無視できないところ。最後に春雷Sでインコースを上手に立ち回り、マッドクールに食い下がった△キミワクイーンの名前を挙げておきたい。