サモア戦では肉弾戦を粘り強く制した日本。そんな桜戦士にアルゼンチンのメディアからも熱視線が注がれている。(C)Getty Images 現地9月28日に行なわれたラグビーワールドカップ(W杯)2023の1次リーグD組の第3戦で、世界ランキン…

サモア戦では肉弾戦を粘り強く制した日本。そんな桜戦士にアルゼンチンのメディアからも熱視線が注がれている。(C)Getty Images

 現地9月28日に行なわれたラグビーワールドカップ(W杯)2023の1次リーグD組の第3戦で、世界ランキング13位の日本代表は、同12位のサモア代表と対決。格上との激闘を28-22で制し、準々決勝進出に王手をかけた。

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 精神的支柱のリーチ・マイケル、主将・姫野和樹がトライを奪うなど、主力がこぞって活躍。2度のW杯ベスト8を誇る重量級のサモアを圧倒した日本は、2勝1敗で勝点「4」を積み上げてプールDの2位に浮上。自国開催だった前回大会に続く決勝トーナメント進出に望みをつないだ。

 地力を発揮したブレイブ・ブロッサムズ(ラグビー日本代表の愛称)には、ライバル国のメディアも警戒を強めている。現地10月8日のプールD最終戦で激突するアルゼンチンの地方ラジオ局『Radio Rafaela』は「このサモアはロス・プーマス(ラグビーアルゼンチン代表の愛称)にとって重要だった。ただ、日本は重量級の相手を打ち破り、我々にプレッシャーをかけている」と指摘。9月30日のチリ戦での勝利が不可欠となったことを強調した。

 一方でサモア戦における日本のパフォーマンスを見て、あえて苦言を呈するメディアもある。日刊紙『La Nacion』は「ブレイブ・ブロッサムズはサモアに大勝利を飾るも、プレー内容に疑問を残す」と、辛辣な分析を展開した。

「日本は2019年に母国で開催したW杯で輝いたチームや、2015年にイングランドで南アフリカを撃破したチームには程遠い。よりスピードが遅くなり、プレーは予見しやすく、驚きが少ない」

 さらに日本の中心メンバーが高齢化にもメスが入れられた。「日本代表の平均年齢が高いということは、経験値と局面を処理する能力が高いことを意味する」とポジティブな要素を記した同紙は「一方で試合中にペースチェンジできるフレッシュさや、80分を通して動けるフィジカルには欠ける。イングランド戦もサモア戦も、その点を終盤で露呈した」と分析。高齢化による運動量の不足を問題視した。

 番狂わせが起きにくいとされるラグビーにおいて、世界ランク9位のアルゼンチンが今大会3敗を喫しているチリに負けるとは考えにくい。となると、2勝1敗で並んで迎える最終戦は勝者が次に進む大一番になる。

 はたして、日本はいかなる形でアルゼンチンを迎え撃つか。まずは現地30日に行われるチリ戦の行方を興味深く見守りたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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