■ナムラクレア

【中間調整】昨年のスプリンターズSは2番人気に支持されるも、インが伸びる馬場で外を回った影響か最後のひと伸びを欠き、0秒2差5着という結果に終わっている。4歳シーズンの今年は最後の粘りを強化すべくCW調整を取り入れ、それが奏功してかシルクロードS勝ち、特殊な馬場かつレース運びが難しい外枠だった高松宮記念で2着と、レベルアップした姿をアピールした。続くヴィクトリアマイルの凡走は織り込み済み。スプリンターズSに向けてのステップとして選んだ前走・キーンランドCは、このレースも外枠(16頭立て14番ゲート)ながら、なんなく中団で流れに乗ると、追われて確かな反応を示し勝利を掴んでいる。

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昨年5着に終わったスプリンターズSでのリベンジへ進むのは予定通り。札幌から栗東に戻り、体調を戻すケアの時間を要したようだが、9月9日に坂路14-14で初時計。今年は中4週だが、北九州記念から中5週だった昨年と同じレースの21日前に時計を出せており、体調面の回復は順調そのものだろう。1週前は今回もCWで併せ馬。しっかり負荷を掛けて格下馬に追走先着を果たした。スタミナ面のケアもばっちり。

【最終追い切り】レース当週はこれもいつも通り、長谷川師が騎乗して坂路単走。坂の入り口あたりで荒れた馬場にバランスを崩しかけるが、スッと立て直し気持ちを途切れさせることなく登坂する。ラストはこの馬らしい機敏な反応から鋭く切れた。

【見解】帰厩当初に少しだけ体調を崩しかけた、という陣営談話もあるが1週前の負荷、最終追いで見せた軽やかな加速ぶりから問題なく回復したとみていいだろう。加速してもブレないあたりは、体幹の強化も感じられる。万全の状態で悲願GI獲りへ。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。