視覚障がいのある人たちと健常者が一緒にプレーする「フロアバレーボール」。その北日本大会が10月に青森市で開かれる。地元での優勝をめざし、青森県フロアバレーボールクラブの部員たちは、和気あいあいと練習に励んでいる。 クラブの拠点は、青森市に…

 視覚障がいのある人たちと健常者が一緒にプレーする「フロアバレーボール」。その北日本大会が10月に青森市で開かれる。地元での優勝をめざし、青森県フロアバレーボールクラブの部員たちは、和気あいあいと練習に励んでいる。

 クラブの拠点は、青森市にある青森県立盲学校。体育館ではボールを打ち合う激しい音と、部員同士の元気なかけ声が響く。

 フロアバレーボールは、床上から30センチのところにネットを張り、その下を通るようにボールを転がして得点を競う。相手のボールを受けて3回以内で打ち返すのは、通常のバレーと同じ。特徴は、選手が目隠しをすることだ。

 目の見える見えないに関わらず、前衛の3人はゴーグルのようなアイシェードをつけて、何も見えない状態でプレーする。後衛の3人は主に健常者で、目隠しをせずに動きながら前衛に指示を送る。声のかけ合いとチームワークが大切なスポーツだ。

 クラブは今年で設立35年を迎える。始まりは1988年、県立盲学校の卒業生たちが結成した「社会人盲人バレーボール部」で、当初の部員は7人ほどだった。

 その後、障がい者と健常者が一緒に楽しめる新しいスポーツとしてフロアバレーが知られるようになり、95年にはクラブ名も今の名称に。部員も増え続け、現在は健常者6人を含めた計18人が参加している。

 代表の古沢心治さん(59)は生まれつきの弱視で、県立盲学校に通っていたときからフロアバレーに親しんできた。

 「視覚障がいのある人にとってはハンデがなく、健常者と同じコートに立ってプレーできるのが魅力です。誰でも楽しめるスポーツとして、知ってもらえたらうれしい」と話す。

 北日本大会は10月7、8日、青森市の青森中央学院大の第1体育館で開催。青森、宮城、北海道から計5チームが出場する。

 クラブでは、練習に参加する部員や活動を支えるスタッフを募集している。問い合わせは、古沢さん(017・723・8989)へ。(渡部耕平)