2030年冬季五輪・パラリンピックの開催招致をめざす札幌市は昨年末、「極めて異例」となる積極的な招致活動の休止を決めた。その理由となった東京五輪汚職を踏まえた大会見直し案が近く完成する。市はこの夏、各地で説明会を開いて「市民との対話」に努…

 2030年冬季五輪・パラリンピックの開催招致をめざす札幌市は昨年末、「極めて異例」となる積極的な招致活動の休止を決めた。その理由となった東京五輪汚職を踏まえた大会見直し案が近く完成する。市はこの夏、各地で説明会を開いて「市民との対話」に努めたが、招致賛成派が増えたようにはみえない。なぜ支持は広がらないのか。

 26日の市議会本会議。市民対話の成果を問われた秋元克広市長は「依然として大会招致に対する不安や懸念の声が多く寄せられている」と現状を語ったうえで、「スケジュールありきでなく、一層の理解促進に取り組んでいく必要がある」と述べた。

 昨年末、秋元氏が打ち出した招致活動休止は東京五輪汚職を踏まえて大会案を見直すためとされたが、関係者の間では市長選での争点化を避けるねらいだったとの見方が多い。秋元氏は4月の市長選で3選を果たすと、招致活動の再開に向けて動き出す。5月に有識者による見直し検討委員会を発足させ、7月には見直し案の中間報告をまとめた。