「アジア競技大会」<9月23日~10月8日/中国・杭州>22日に始まった卓球競技、大会前半の団体戦で日本は女子が銀メダルを獲得。男子はベスト8という結果に終わった。

そして男女シングルスおよびダブルス、混合ダブルスがスタート。10月2日まで、さらなる熱戦を繰り広げる。

「アジア版オリンピック」とも言われるアジア競技大会では卓球を含む全40競技481種目を実施され、日本代表選手たちはアジアのライバルたちとしのぎを削り、アジアの頂点を目指す。

卓球日本が掲げるのはもちろん、打倒中国。それ以外にも強豪ひしめくアジアで上位に進むのは容易くはない。団体戦に続いて個人種目でも上位進出、そしてメダル獲得が大いに期待される。

男子シングルスに出場の張本智和、吉村真晴 PHOTO:GettyImages

シングルスでは男子 張本智和(世界ランク4位=智和企画)、吉村真晴(同79位=TEAM MAHARU)、女子 早田ひな(同9位=日本生命)、平野美宇(同16位=木下グループ)が出場。

ダブルスは男子 戸上隼輔(明治大学)/吉村真晴、及川瑞基(木下グループ)/松下大星(クローバー歯科カスピッズ)、女子 平野美宇/長﨑美柚(木下グループ)、木原美悠(木下グループ)/張本美和(木下アカデミー)。

混合は張本智和/早田ひな、戸上隼輔/木原美悠が出場予定。

一方、2週前のアジア選手権で7種目を制覇した中国はほぼ変わらない布陣。

これに対し日本は、女子がパリ五輪選考ポイント首位の早田と2位の平野が中国超えに挑む。アジア選手権から間もないが、目の前に立ちはだかる厚い壁を今度こそ打ち破ることができるか。

オリンピック同様、4年に一度の大舞台で「団体戦でもシングルスでも混合ダブルスでも金メダルを目標にやっていきたいが、そうなると中国選手にシングルスだと2回勝つことになると思う。1回勝つのもすごく難しい」と話すのは早田。

早田ひな 写真:森田直樹/アフロスポーツ

だが、アジア選手権の女子シングルス準々決勝で負けた孫穎莎を筆頭に、「自分が目指す目標に到達するためにはそこの壁を越えなきゃいけない」と固い決意を口にしている。

420ポイントの平野と409.5ポイントで3位の伊藤はポイント差が接近。激しいデッドヒートの様相を呈しているが、伊藤がアジア競技大会に出場していないため、平野はここでポイントを稼ぎ伊藤を引き離したいところだ。

平野美宇 写真:アフロスポーツ

本人も「この大会でどれだけ(ポイント差を)離せるかがカギだと思います。強い気持ちを持ってシングルスに出場したい」とオリンピックのシングルス初代表に向け闘志を燃やしている。

ちなみにパリ五輪代表選考ポイントは今年に入り、中国トップ3の選手に勝つとボーナスポイントが与えられているが、本来2022年に開催されるはずだったアジア競技大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期の2023年開催になったため、昨年までの選考基準を適用。

したがって、中国トップ3の選手に勝った場合でもボーナスポイントは付与されない。


(文=高樹ミナ)

<日本 個人戦 出場メンバー>
■男子シングルス(2名)
張本智和、吉村真晴

■女子シングルス(2名)
早田ひな、平野美宇

■男子ダブルス(2組)
戸上隼輔/吉村真晴、及川瑞基/松下大星

■女子ダブルス(2組)
平野美宇/長﨑美柚、木原美悠/張本美和

■混合ダブルス(2組)
張本智和/早田ひな、戸上隼輔/木原美悠


<中国 個人種目 出場メンバー>
■男子シングルス(2名)
樊振東(世界ランク1位)、王楚欽(同2位)

■女子シングルス(2名)
孫穎莎(同1位)、王芸迪(同4位)

■男子ダブルス(2組)
樊振東/王楚欽、梁靖崑/林高遠

■女子ダブルス(2組)
孫穎莎/王曼昱、陳夢/王芸迪

■混合ダブルス(2組)
王楚欽/孫穎莎、林高遠/王芸迪