ラグビーのワールドカップ(W杯)に第1回から今大会まで連続10回出場し、2度の優勝を誇るオーストラリアが24日(日本時間25日)、1次リーグC組でウェールズに6―40で敗れた。得点は前半の二つのPGしか挙げられず、ノートライに終わる完敗だ…

 ラグビーのワールドカップ(W杯)に第1回から今大会まで連続10回出場し、2度の優勝を誇るオーストラリアが24日(日本時間25日)、1次リーグC組でウェールズに6―40で敗れた。得点は前半の二つのPGしか挙げられず、ノートライに終わる完敗だった。これで通算1勝2敗。世界ランクが格下相手の2戦を残すフィジーが勝ち点6で並んでいるため、オーストラリアは自力で準々決勝に進めず、初の1次リーグ敗退も濃厚となった。B組では、スコットランドが45―17でトンガを退けた。

 オーストラリアのエディ・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は、2003年は同国、19年はイングランドを指揮して2度のW杯準優勝の経験がある。15年は日本代表を率いて南アフリカを撃破した知将が、屈辱にまみれた。

 試合後の会見冒頭、ジョーンズHCは謝罪の言葉を並べた。「たくさんの方々がここまで応援に駆け付けてくれたと思いますし、夜遅くまで起きて応援してくれた方々もいるでしょう。私たちのパフォーマンスは求められる水準に達しなかったことをおわびする」と話した。

 会見の質問は、試合内容そっちのけで、ジョーンズHC自身の話題に集中した。次期HCの選考を進める日本協会関係者とW杯前に面談した、とオーストラリアメディアがウェールズ戦当日に報じたことについて問われると、「(記者が)何を話しているのか分からない」と、不満そうに応じた。

 今年1月に就任したジョーンズHCの任期は、オーストラリアで4年後に開催される次回W杯の27年まで。「日本のHCになる可能性を完全に否定できるか?」「来年もHCを続けるのか?」と食い下がる記者に、「オーストラリアを指導することに専念している。それははっきりしている」と言い切った。

 同席したゲームキャプテンのFWデービッド・ポレッキが「報道がチームに影響を与えたか」との質問に答えた後、ジョーンズHCは聞かれてもいないのに自ら語り始めた。

 「私がオーストラリアの指導に専念しているか疑問を持たれるのは本当に腹が立つ。私はここに来てからずっと休まず働いている。結果についてはおわびするが、私の仕事を疑うことは少し行き過ぎだ。それ以上、質問には答えない」(松本龍三郎)