(24日、大相撲秋場所千秋楽) 大関貴景勝が今年の初場所以来、4度目の優勝を逆転で飾った。本割で関脇大栄翔を退け、朝乃山に敗れて4敗で並んだ熱海富士との決定戦を制した。新大関の豊昇龍は、優勝の可能性が残っていた北青鵬を破って勝ち越しを決めた…

(24日、大相撲秋場所千秋楽)

 大関貴景勝が今年の初場所以来、4度目の優勝を逆転で飾った。本割で関脇大栄翔を退け、朝乃山に敗れて4敗で並んだ熱海富士との決定戦を制した。新大関の豊昇龍は、優勝の可能性が残っていた北青鵬を破って勝ち越しを決めた。新関脇の琴ノ若は若元春を寄り倒して9勝目を挙げた。

 一瞬で初優勝が夢と散った優勝決定戦。花道を引き揚げる熱海富士の目は潤んでいた。壁にもたれかかり、「ああ!」と叫んだ。

 静岡・飛龍(ひりゅう)高在学中の2020年11月場所に初土俵を踏み、そこから18場所。年6場所制になった1958年以降で最速(付け出し除く)となる初優勝に王手をかけていた。本割は相四つの朝乃山に圧倒され、決定戦では貴景勝にはたかれた。「稽古が足りない。もっと稽古しないと……」。絞り出すように言った。