上位3着までに菊花賞への優先出走権が与えられるトライアルレース。今年は、4年ぶりに阪神競馬場芝2400mで行われる。1周2113.2mの外回りBコースはスタート直後に急坂が待ち受け、最後の直線は476.3m。そのためスローペースからの瞬…

 上位3着までに菊花賞への優先出走権が与えられるトライアルレース。今年は、4年ぶりに阪神競馬場芝2400mで行われる。1周2113.2mの外回りBコースはスタート直後に急坂が待ち受け、最後の直線は476.3m。そのためスローペースからの瞬発力争いになりやすい。3歳馬限定の馬齢重量戦だけに紛れは少なく、過去10年間で1番人気馬は【6-1-0-3】。これを含め1〜3番人気馬が【9-5-3-13】と堅調傾向。過去10年では前走日本ダービー組が9勝と圧倒的に実績を残している。

 ◎サトノグランツは京都新聞杯、そして同舞台のゆきやなぎ賞優勝馬。ある程度は前目で競馬をしたいタイプなので、大外枠、そしてスローペースの日本ダービーは持ち味が発揮できなかった。母はイタリアの2冠牝馬で、祖母はニジンスキー3×3という血統。春シーズンは追われてから瞬時に反応できない面を見せていたが、それでも加速がついてからの伸び脚と並んでからの勝負根性に見どころがあった。そして、末脚勝負に切り替えたとはいえ、それでも日本ダービーで見せた33.1秒の末脚は、将来性を感じさせるものだった。馬券的な妙味も含め、本命に推したい。

 〇ハーツコンチェルトは青葉賞2着で日本ダービー3着。デビュー戦を楽勝後、やや伸び悩む時期もあったが、成長力のあるハーツクライ産駒らしく春後半から再び力のあるところを見せている。前走の日本ダービーは、1周目スタンド前をほぼ最後方から向こう正面で押し上げ、ゴールでは勝ち馬と同タイム3着だった。2歳秋から3歳春にかけての伸び悩みが右回りだったからなのか、小回りコースなのか、それとも成長途上だったものなのかは悩ましいところだが、広い阪神外回りコースなら、距離実績に加えて、世代トップクラスの実績を無視はできない。

 ▲ファントムシーフは共同通信杯優勝馬で、落鉄していたという皐月賞は1番人気3着。日本ダービーはスタートから加速が悪く、中団やや後方から。動くに動けなかったのは馬体重減も少なからず影響したのかもしれない。共同通信杯がそうだったようにスタートを決めて流れに乗ることができれば、長く良い脚を使うタイプ。逃げ馬不在の組み合わせで、この馬本来の先行力は大きな武器になりそうだ。

 △シーズンリッチは毎日杯優勝馬で日本ダービー7着。大逃げした馬を追いかける形になり、バテたわけではないが切れ負けしたような印象だ。しかし、毎日杯で負かしたノッキングポイントが新潟記念を勝ったように、やはり世代上位の能力を持っている。上がり馬からは瞬発力のある馬をピックアップしたい。デビューから不敗の3連勝中の△ロードデルレイ、未勝利から3連勝中の△ナイトインロンドンと、瞬発力秘める△マイネルラウレアを抑えておきたい。