陸上の第71回全日本実業団対抗選手権大会が22日、岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で始まった。男子100メートル予備予選では、日本記録を持つ山縣亮太(セイコー)が10秒36(追い風0・6メートル)で組1着(全体4番目)となり、2…

 陸上の第71回全日本実業団対抗選手権大会が22日、岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で始まった。男子100メートル予備予選では、日本記録を持つ山縣亮太(セイコー)が10秒36(追い風0・6メートル)で組1着(全体4番目)となり、23日にある予選に進んだ。

 10組目の6レーンからスタートした山縣はスムーズに加速し、終盤は余力を残したままフィニッシュ。レース後は「明日しっかり2本(予選、決勝)を走らないといけないと思って、今日はいい刺激になればいいと思って走りました」とした上で、「1本目の難しさがあって、スタートが鋭く出られなかった」と反省も口にした。

 9秒95の日本記録を持つ31歳は2021年秋に右ひざを手術し、22年シーズンはレース出場がなかった。今季は4月に復帰戦を走り、8月の栃木県佐野市で行われた大会では今季ベストの10秒22をマーク。着実に「完全復活」への道を歩んでいる。

 現在のコンディションを問われると、「今季で一番いい」。今大会に向け、身体と調子を合わせてきたといい、「来年のパリ五輪を見据えると、秋のシーズンが大事になってくる。タイムを狙っていくつもりで練習してきた」と自信をのぞかせた。

 今夏は、世界選手権男子100メートルで6位入賞を果たしたサニブラウン・ハキームら日本勢の活躍に刺激を受けたという。「僕としても9秒台を出して世界大会の決勝に残りたいというのは競技人生の大きな夢。そこに向かって僕も頑張りたい」と話した。