■ジェラルディーナ 【中間調整】昨年は叩き2戦目だったオールカマーを制し、その勢いに乗りエリザベス女王杯も制覇、有馬記念で3着と充実の秋を過ごした。それを考えると今年前半の3戦はやや物足りなさもあるが、前走・宝塚記念では早めに動く積極策から…

■ジェラルディーナ

【中間調整】昨年は叩き2戦目だったオールカマーを制し、その勢いに乗りエリザベス女王杯も制覇、有馬記念で3着と充実の秋を過ごした。それを考えると今年前半の3戦はやや物足りなさもあるが、前走・宝塚記念では早めに動く積極策から勝ち馬イクイノックスに0秒2差の4着に踏みとどまったあたり、一線級の能力にいまだ衰えなしというところか。

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その後、連覇の懸かるオールカマーからの始動は既定路線。放牧中の8月4日にオーナーサイドのサンデーサラブレッドクラブが、オールカマー出走を正式にアナウンスした。8月29日に栗東トレセンへ帰厩。9月7日に新コンビを組む団野騎手を背に、CW単走で初時計を出した。1週前追いとなる14日の調教にも団野騎手が騎乗し、CW単走。ギアチェンジにややスムーズさを欠いたものの、伸びそのもの迫力は十二分にと言えた。

【最終追い切り】レース当週も団野騎手が騎乗し、CWで併せ馬を行った。折り合い面を意識してか、オープン馬ドンフランキーを外で先導。体が並んでからは相手の勢いが勝って前に出られそうになるが、ジェラルディーナ自身も鞍上が気持ちを入れ直してから盛り返し、結局クビほどの先着フィニッシュとした。反応のモタつきは気になるところだが、脚捌きなどは問題まったくなし。

【見解】実際にギアが入ってからの伸びはさすがの貫禄があるが、反応という点ではいまひとつ。厩舎コメントにもあったようにズブさがあり、年齢的なものか、鞍上との相性なのかは判然としないが、スッとギアを上げてくれないようだ。また休み明けは昨年の京都記念や小倉記念のように、基本CW追い4本で臨んできた馬だが、中12週の今回は3本と1本少ない。やはりエリザベス女王杯連覇への意識があり、ここはいかにも叩き台といった感がある。人気ほどの信頼は置きづらい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。