■タイトルホルダー 【中間調整】ここまで菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念を制している国内最強馬の一角。5歳シーズンの今年は日経賞を8馬身差でブッ千切り絶好の滑り出しを決めるも、前走の天皇賞・春では京都コース独特の下り坂に戸惑ってバランスを乱し、…

■タイトルホルダー

【中間調整】ここまで菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念を制している国内最強馬の一角。5歳シーズンの今年は日経賞を8馬身差でブッ千切り絶好の滑り出しを決めるも、前走の天皇賞・春では京都コース独特の下り坂に戸惑ってバランスを乱し、大事を取っての競走中止となった。その後は放牧先で様子を見られ、回復が順調なことから秋はオールカマーから始動、いわゆる古馬王道路線を歩むことが陣営から表明された。

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休み明けはレースのだいたい40日前にトレセンに戻すというこの馬の通例どおり、8月17日に美浦へカムバック。酷暑のさなかながらケアにそこまで時間を要さず、さっそく20日にはウッド14-14を消化している。以降、プールを挟みつつウッド調整を順調に重ね心肺機能を練り上げていく。9月14日のウッド1週前追いは先行馬を前に行かせ、あえて体を併せにいかずジッと闘志をため込む形の調整を行い、3F36秒5-1F秒5と申し分のない数字を叩き出した。

【最終追い切り】今週から戦線復帰する横山和騎手を背にウッド調教。この日も大きく前に行く馬を視界に入れての単走。この形でしっかり気持ちが乗ったようで、序盤から上々の前進気勢を見せ、直線半ばからは豪快な加速を示した。最後まで気迫を保ち、結局“追いつかなくてもともと”の先導馬にも、ゴール板あたりで詰め寄っている。

【見解】競走中止を経ての立ち上げだけに、負荷よりは本数といういささか慎重気味な調整過程ではあるが、伸びや素軽さは好調時のそれ。最終追いで鞍上が馬の追いつきたいという気持ちに従って、変にセーブさせることなく脚を伸ばしたあたりも、体調面に不安がないからこそだろう。さすがにここが最大目標という仕上げではないものの、持てる力を存分に発揮できる状態にある。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。