世界ボクシング評議会(WBC)、世界ボクシング機構(WBO)スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(30)=大橋=が21日、東京都内で行われた高級腕時計「ウブロ」のチャリティーイベントに出席した。 子どもたちに基本の構えやジャブの打ち方を教…

 世界ボクシング評議会(WBC)、世界ボクシング機構(WBO)スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(30)=大橋=が21日、東京都内で行われた高級腕時計「ウブロ」のチャリティーイベントに出席した。

 子どもたちに基本の構えやジャブの打ち方を教えたり、自らミットを持ってパンチを受けたりして、普段のリングでは見せない穏やかな笑顔を浮かべた。

 ウブロのアンバサダーを務める井上は344万円の腕時計を着用。「(時計集めは)唯一の趣味。試合後の自分のご褒美に買うことが多い」と明かした。

 時間の使い方について問われると、「1日2、3時間の練習をいかに濃いものにするかを考えている。長期的に見れば、漠然と練習している選手とはすごい差が出る」と話し、「夢中になっているものを大切に続ければ、必ず自分の身になって帰ってくる」と子どもたちに語りかけた。

 20歳で世界王者になってからも成長を続けている。「挑戦する気持ちを忘れずに取り組んできた」からだという。「王者になると、初心やチャンピオンを追いかけていた時の気持ちは薄れるもの。だからこそ、チャレンジャー精神は忘れないように心がけてきた」

 7月に、無敗だった2団体統一王者のスティーブ・フルトンにTKO勝ちして、4階級目となるスーパーバンタム級の王者になった。陣営は年末にマーロン・タパレス(フィリピン)との4団体統一戦を計画している。「交渉はうまく進んでいると聞いています。ここから(スパーリングの)パートナーを絞って詰めていく」と井上。

 フルトン戦後には「3年はこの階級にいるつもり」と話していたが、この日は1階級上のフェザー級への転向に改めて意欲を示した。

 「(フェザー級は)自分の骨格や体格をオーバーしたところの戦いになるので、今以上に気を引き締めていかないと。常に挑戦することを続けたい」

 「キャリアも後半に入っている。挑戦できるところも見えてきている。やれて、あと一つ上(の階級)かな、と思っている。(そういうことを)言葉に出すのが大事かなと思って、言葉にしています」

 その上で、こうも話した。

 「ゴールがどこかは自分でも分かっていない。小1からボクシングを始めて、引退した時に『最高のボクシング人生だった』と言えるのが、一番のゴールかなと思います」(野村周平)