シリーズ3代目の「TOUR」その打ち味はどうなのか!?全仏オープン優勝を果たしたイガ・シフィオンテク(ポーランド)のラケットといえば(日本では)2代目の「ツアー100(290g)」。その3代目モデル…

シリーズ3代目の「TOUR」
その打ち味はどうなのか!?

全仏オープン優勝を果たしたイガ・シフィオンテク(ポーランド)のラケットといえば(日本では)2代目の「ツアー100(290g)」。その3代目モデルが、日本でいち早くリリースされた。“テクノロジーのプリンス”が、作り上げた3代目「ツアー」の真価はいかなるものか? テニスクラシック編集部の試打コンビ(広)(川)が、プリンス最高峰のモデルにチャレンジ!

果たして #スピードスピン を操れたのか!? 「ツアー 100(290g)」、「ツアー100(310g)」、「ツアーO3 100(290g)」、「ツアー O3 100(310g)」、「ツアー100 SL」、「ツアー95」、6本のラケットは、実際打ってみると、かなりおもしろいものだった。

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試打①「ツアー 100(310g)」



編集部(川)
ツアーの中でベストラケット!
競技志向なら、嫌いな人はいないはず

めちゃくちゃ気に入った!
僕にとっては、理想形のラケットだ。ハードヒットしても、しっかりスピンがかかってしっかり落ちてくるのが、とにかく気に入った。

何よりインパクトのカチッという感じがたまらなく気持ち良い。打球感がボヤけることなく、手に伝わってきて、インパクトでしっかり合わせて行けるので、コントロールは抜群。ボールに意図を伝えやすい、打ち手の意思をしっかり伝えられるラケットだった。

おそらく競技志向の人で、嫌いな人はいないのではないだろうか? サーブでは、回転もしっかりかかるし、フラットサーブもしっかり圧をかけて打つことができる。それなりの重量があるため、ボレーでは壁となって、打ち返すことができる。とにかく、使っていて楽しいラケットだった。







編集部(広)
本当に310g?となる振り抜きの良さ
一般レベルでも十分使用可能だ

いやー、ものすごくイイ。こちらのラケットにはポリが張られていたのだが、相性が抜群だ。

そして、本当に310gあるの?という感じ。300gくらいに感じる。それくらい振りやすいのだ。スイングウェイトが290gなので、310gという数字どおり考えないのが正解だ。とはいえ、その重さがある分、ボールは掴みやすくホールド感もあり、ボールもしっかり飛ばしてくれる。特にフォアハンドが気持ちよく、まっすぐ飛んでいき、相手コートのサービスライン付近から落ちるみたいなイメージのボールが打てる。個人的にボックスフレームに親しみがある世代。競技者なら別の話だが、かつてのラケットの重さを知っている方なら、40代、50代といった人にも一度試してもらえるといいと思う。

310gとは思えない、というところがミソで、サーブ、ボレーとどのショットでも、打ち負けないし、ボールもしっかり飛んでくれる。元々スピン性能が高いが、そこに飛びもプラスされるので、バックハンド・スライスなんか、伸びるスライスが本当に打ちやすい。

競技者モデル、なのだが、一般でもかなり使えレベルだと思う。それだけ懐が深いラケットだ。





試打②「ツアー 100(290g)」



編集部(川)
思いどおりのショットが打ちやすい
エンジョイ派にもオススメしたい1本

エンジョイテニス派でもお勧めしたいモデル。打球感は、310gほどハッキリしていないが、硬めでカチッとボールにコンタクトできる。だから、思いどおりのショットが打ちやすいのだ。

スピン性能は、O3タイプより上。打っていて、結構かかるなという感じなので、ボレーヤーの足元に落としたり、スライスで低い打点で打たせたり、弾道の調整で自在性があると感じる。

290gでスイングウェイトが285gと軽いため、ジュニアや女性から男性の中級者まで幅広いプレーヤーに合う1本だと思う。

サーブについては、威力は310gより落ちるものの、回転がかけやすいので、セカンドサーブは打ちやすいと思う。






編集部(広)
一定以上のスイング速度があれば
鋭いボールが飛んでくれる

まず、一振りしてわかるのは、その軽さだ。290gなので、決して重くはないわけだが、スイングウェイトが285gということもあって、軽いなーというのが第一印象なのだ。

最初、厚く捕らえるとボールが伸びすぎる、逆に薄く捕らえるとネットしてしまい、「んー…」と悩んでしまったが、一定以上のスイング速度になると、かなりボールが変わってくる。表現するなら、低く鋭いボールが飛んでいって、シュンと落ちるイメージ。ボックスフレームが特徴のツアーだが、ボールのホールド性が高い分、スイング速度との兼ね合いで、そういう感じが出てしまうのかも。ラケットのコツを覚えていくと、結構いいボールが打てるようになった。
一般プレーヤーの癖で、前に打つスイングではなく横に振ってしまっている人が多いと言われるが、まさに自分がそれなので、前に振る! そんな感じの方が質のいいボールが飛んでいく。

パワーに関しては、バッチリだと思う。ここら辺がテキストリーム×トワロン素材、ATS(アンチトルクシステム)が生きているのだろう。
サービスでは、スピンがしっかりかかる。なので、厚く捕らえるくらいの方がいいボールになる。ボレーでも、スピン性能は出ていて、コントロールしやすい。

びっくりしたのは、衝撃吸収性の良さ。シリーズを通じて言えることだが、必要とする以上の振動はなし! 振動止め不要では?! ある程度の振動=情報が大事と思っている人には、バッチリだと思う。





試打⑤「ツアー 100SL」



編集部(川)
使うと横着してしまう
人をダメにするラケット

面さえ合わせれば、めちゃめちゃ簡単に飛んでくれるラケットで、テニスが本当に楽になる。

特にフラットで捕えた時には打球感がクリアすぎて、振動もない。非常にピュアなボールが飛んでくれる。270gと軽量ラケットだが、不安視される面ブレも気にならない。ただ、重いボールを打ちたいという人には違うラケットをトライしたほうがいいだろう。

ストローク、ボレー、サーブ、左右に振られた場面などテニスにおける様々な状況に対応できるラケット。操作性も高いし、スライスも伸びる。
テニスがとても楽に感じて思わず笑ってしまった。これを使うと横着してしまう、人をダメにする1本だった。







編集部(広)
ビックリするほど本格派
290gより、こっちが好きかも

270gは軽すぎる、と思ったのだが、その真価はすごかった。まるで300gモデルを彷彿させるような本格的な打球感が味わえるのだ。単純に打球感としては、かなり好みだ。

それでいて、軽いのにしっかり飛んでくれる。多少、ボールが持ち上がらない感覚があるが、少し厚く捕らえるようにすると、一気にボールがよくなった。310gモデル、290gモデルと比較してしまったら、ボールの伸びは劣るかもしれないが、これが270gと考えたら申し分ないものだ。個人的には、このちょっと伸びないくらいの方がちょうど良かった。というのも、より叩きやすくなったからだ。ジュニア、女性向けを想定したモデルだとは思われるが、男性のパワーでしっかり振っていくという使い方もできるのではないだろうか。

打球感は、シリーズを通しての特徴である、ホールド感の高さが感じられる。その分、ボレーもコントロールしやすいなと感じた。しっかり回転がかかるし、弾かれる感じがない。現在、市場にある270gモデルとしては、最高レベルに完成度が高いラケットではないだろか。





試打⑥「ツアー95」



編集部(川)
打ちごたえがあるものの
競技レベルでは結構厳しい

スイートスポットで捕えた時は「これは使えるラケットかも!?」と思ったのだが、左右に動きながらボールを捕らえるとなると、より難しさが際立ってくるラケットだった。

芯で捕らえた時のボールの飛びやノビ、自分が落としたいところに打てるコントロール性はあるラケットだが、少しでも捕えきれないと、相手のボールに持っていかれてしまう。すると、ボールも浅くなってしまうため、上級者でないと扱いきれないかもしれない。

一方でボレーは、体勢を崩されたとき以外はまったく問題なし。むしろ、しっかり弾くので深くすべるボレーが打てる







編集部(広)
ミッドサイズとは思えない!
完璧に近い95平方インチ

学生時代、ミッドサイズは上手い人のためのものと思っていた(笑) というのも、当時の95平方インチは飛ばないし、スイートエリアも小さかったから。だが、そこから20年くらい経つと、こんなにすごいミッドサイズが作れるのか、と思わず喜んでしまう。

もちろん、競技者向けに作られたもの。だが、私のようにミッドサイズに憧れる人も少なくないだろう。まず、95平方インチとは思えないほど、スイートエリアが広い。さらに打球感は、快感物でパワーもあるし、コントロールもいい。パワーの部分で説明したいのは制御できるパワーだということ。飛んでいってしまうラケットではなく、振った分+少し飛んでくれる。これがとても打ちやすいのだ。個人的に、これは完璧に近いミッドサイズだと思う。もちろん簡単だという意味ではない。使っていて、とにかくテニスが楽しくなるラケットなのだ。

中でも唸ったのはバックハンド。ご多分にもれず、バックハンドは苦手なのだが、なぜなのか、このラケット、気持ちよーくバックハンドが打てる。飛ぶし、スピンもしっかりかかるし、何よりコントロールできる。思わず「おいおい、これは神ラケットだよ」と(川)に力説していた(この後、打つのに)。何よりフェイスの先寄りで捕らえてもしっかり飛んでくれるのは、めちゃくちゃいい。当然、競技者もいいのだろうが、これは同世代に打ってほしい。

これこそテキストリーム×トワロン、ATS(アンチトルクシステム)の力を最大限に享受できるラケットではないだろうか。あの日“ミッドサイズかっこいいなー”と思った方、ぜひこのラケットを打ってみてください!



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