ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会 1次リーグD組 イングランド34―12日本 W杯優勝経験のあるイングランドは、平凡なミスを繰り返して勝てるほど甘い相手ではない。 開始早々、FBマシレワが相手からのプレッシャーを受けないインゴール…

ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会 1次リーグD組 イングランド34―12日本

 W杯優勝経験のあるイングランドは、平凡なミスを繰り返して勝てるほど甘い相手ではない。

 開始早々、FBマシレワが相手からのプレッシャーを受けないインゴールでノックオン。その後のPG献上につながった。前半24分には、自陣ゴール前のマイボールラインアウトでFWファカタバがこぼれ球を取り損ね、トライを許した。

 それでも一方的な展開にはならなかった。理由は、日本がスクラムですこぶるがんばったからだ。

 昨年11月に敵地で対戦した際は押し負け、序盤から立て続けにスクラムの反則を取られた。その反省を生かし、入念に進めてきた準備。試合前日、フッカーの坂手が明かした。

 「相手の1番(左プロップ)が内側に入ってこちらの3番(右プロップ)にアタックしてくる」。だから、「1番、2番(フッカー)が3番を助けて、真っすぐ前に出られる」ように組むのだと。

 3番に集まっていた負担を分散させて、前半は反則せず、互角に組み合った。しかし、高強度のFW戦は日本にボディーブローのようなダメージを与えていた。後半26分の失トライは、この日初めて崩されたスクラムが起点だった。

 ジョセフ・ヘッドコーチは淡々と試合を振り返り、「イングランドのような強豪に挑むには、すべてのことを正しくやり抜く必要がある。それができず、報いを受けた」と言った。

 凡ミスが改善されない限り、2大会連続の8強進出は厳しくなる。(ニース=松本龍三郎)