ラグビーの母国・イングランドと日本が初めて顔を合わせたのは1971年9月24日、舞台は大阪・花園ラグビー場だった。30年に歩みを始めた日本代表が世界トップクラスの代表チームと戦ったのは、この時が初めてだった。 以来、10度におよんだ対戦は…
ラグビーの母国・イングランドと日本が初めて顔を合わせたのは1971年9月24日、舞台は大阪・花園ラグビー場だった。30年に歩みを始めた日本代表が世界トップクラスの代表チームと戦ったのは、この時が初めてだった。
以来、10度におよんだ対戦は日本の全敗。イングランド側がテストマッチ(代表同士の国際試合)と認めた3試合に限ると、いずれも完敗だ。W杯でぶつかるのは、第1回大会以来2度目。花園での初対戦から半世紀の時を経て、ニースで勝利を収めれば、間違いなく日本ラグビーの歴史は塗りかわる。
しかし、立ちはだかる壁はきわめて高い。日本のトニー・ブラウン攻撃コーチが「ここ100年ぐらい同じスタイル」と評するイングランドの戦い方はシンプル、かつ強固だ。
身体能力に優れた大型FWはセットプレーや接点で相手に圧力をかけ、空中戦に強いバックスがキックからの再獲得でトライ機をうかがう。ひとたび相手が重い反則を犯せば、正確無比なキッカーがハーフウェー付近からでもPGを狙い、防御の甘さを見つけるとドロップゴールを蹴り込む。
隙があるとすれば、直近のテストマッチ6試合でレッドカードを4枚出された規律の低さだろう。主将のSOファレルら主力の出場停止がどれだけ響くか。
日本は防御のミスを極力減らし、攻撃では素早い展開と緻密(ちみつ)な連係でかき乱したい。互いに体力が消耗する終盤まで小差でついていけば、勝機はある。(ニース=松本龍三郎)
■イングランドとの対戦成績
1971年9月24日 ●19―27 大阪・花園ラグビー場
9月28日 ●3―6 東京・秩父宮ラグビー場
79年5月13日 ●19―21 大阪・花園ラグビー場
5月20日 ●18―38 東京・国立競技場
86年10月11日 ●12―39 英ロンドン
※ 87年5月30日 ●7―60 豪シドニー(第1回W杯)
2003年7月3日 ●10―37 東京・味の素スタジアム
7月6日 ●20―55 東京・国立競技場
※ 18年11月18日 ●15―35 英ロンドン
※ 22年11月12日 ●13―52 英ロンドン
(※はイングランド側がテストマッチと認めた試合)