18日は中山競馬場で菊花賞の前哨戦・セントライト記念(GII、芝2200m)が開催されます。 設立からしばらくの間は東京芝2400mで行われ、その後は中山芝2400mが舞台。さらに東京と中山で舞台が入れ替わることが頻繁にありましたが、198…

18日は中山競馬場で菊花賞の前哨戦・セントライト記念(GII、芝2200m)が開催されます。

設立からしばらくの間は東京芝2400mで行われ、その後は中山芝2400mが舞台。さらに東京と中山で舞台が入れ替わることが頻繁にありましたが、1980年以降は中山芝2200mが施行舞台として定着しています。

今回は2002年と14年の新潟開催を除く2000年以降の過去データを基に気になる騎手データを見ていきましょう。

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■昨年の優勝馬と共通点あり

今年のセントライト記念に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは10騎手。各騎手のデータは次の通りです。

セントライト記念騎手別成績(2000年~22年、新潟施行時の04年と14年を除く)

着順と人気のバランスに優れる騎手として三浦皇成騎手、大野拓弥騎手、丸山元気騎手を挙げられるものの3騎手とも連対経験はなし。ここは素直に連対率上位の騎手を順に見ていきましょう。

まず取り上げるのが松山弘平騎手です。

昨年のレースでは、3番人気のガイアフォースを1着に導きましたね。ただし、過去3鞍の結果だけではサンプル不足と思われるため、2000年以降の中山芝2200m戦に集計対象を広げてみましょう。

その結果は【2.2.0.13】で連対率23.5%。可もなく不可もなくという数値ですが、注目できる材料も見つかり【中山芝2200m戦】×【今回昇級戦】の組み合わせは【1.1.0.2】で連対率50%。昨年のガイアフォースが該当するデータですね。

同騎手は今年のセントライト記念で3連勝中、かつ今回昇級戦のウィズユアドリーム(牡3、栗東・吉岡辰弥厩舎)に騎乗予定。

小倉の特別戦を勝ちセントライト記念に臨むローテもガイアフォースと共通します。2年連続の大駆けが見られるかもしれません。

■松岡正海騎手は当日の人気次第

続いて松岡正海騎手のデータを見ていきましょう。

同騎手は優勝こそありませんが、2008年のマイネルチャールズ(1番人気2着)、09年のセイクリッドバレー(4番人気2着)で2度の連対があります。

データ的にわかりやすい騎手で、4番人気以内なら【0.2.0.0】連対率100%、5番人気以下なら【0.0.0.5】連対率0%。当日4番人気以内に推されるようなら「買い」という判断になります。

なお、松岡正海騎手は8月の自己条件で3勝目を挙げたコスモサガルマータ(牡3、栗東・梅田智之厩舎)に跨ります。下馬評は伏兵扱いですが、当日の人気に注視しておきましょう。

■3連複の軸候補はC.ルメール騎手

さらにC.ルメール騎手のデータを見ていきましょう。

同騎手も集計期間内の勝利こそありませんが、2017年のアルアイン(1番人気2着)、18年のレイエンダ(1番人気2着)、21年のオーソクレース(5番人気3着)、22年のローシャムパーク(2番人気3着)で4度の馬券絡みがあります。

注目ファクターは騎乗馬の生産牧場で【C.ルメール騎手】×【ノーザンファーム生産馬】は【0.2.2.0】の連対率50%、複勝率100%。一方、非ノーザンファーム生産馬だと【0.0.0.3】です。

前述した4頭も全てノーザンファーム生産馬で、勝てなくても菊花賞の切符は必ず獲得していることがわかりますね。

同騎手は今年のセントライト記念でノーザンファーム生産馬のキングズレイン(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗予定。過去データから1着はどうかも3連複なら堅軸として考えていいでしょう。

■横山武史騎手とソールオリエンスは…

最後に人気のソールオリエンス(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)に跨る横山武史騎手のデータを見ていきます。

同騎手はセントライト記念に2度騎乗していますが、内でドン詰まり1番人気ながら13着に敗れた2021年のタイトルホルダーのことを覚えている競馬ファンは多いでしょう。

サンプル数が少なく過去データだけでは判断できませんが、2000年以降の中山芝2200m戦に集計対象を広げた結果は【9.5.3.25】で連対率33.3%。

2021年オールカマーでは2番人気のウインマリリンを、22年オールカマーでは5番人気のジェラルディーナをそれぞれ勝利に導いていて成績は悪くありません。

過去データを見てしまうとどうしても嫌いたくなってしまいますが、ソールオリエンスを割り引く必要はないと思われます。

以上、セントライト記念の気になる騎手データでした。データ注目騎手は松山弘平騎手とC.ルメール騎手です。ソールオリエンスの人気を考えると上記2騎手のワイドは配当的に面白いかもしれませんね。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。