今年も長野県の「富士見パノラマリゾート」をメイン会場に7月29日・30日の2日間、スポーツバイクの夏の祭典「シマノバイカーズフェスティバル」が開催された。オフロードのレースやツーリングが開催され、さらには会場にも工夫が凝らされ、自転車を軸に…

今年も長野県の「富士見パノラマリゾート」をメイン会場に7月29日・30日の2日間、スポーツバイクの夏の祭典「シマノバイカーズフェスティバル」が開催された。オフロードのレースやツーリングが開催され、さらには会場にも工夫が凝らされ、自転車を軸にたっぷりと楽しむことができる。今年で31回目を数える人気の大会だ。

今年は、4年ぶりにウェルカムパーティーが復活、フルスペックの開催が実現した。テーマ性のある展示が加わり、既存の種目のブラッシュアップや、新種目の登場など、まさにスケールアップした形で夏の祭典が帰ってきた。



富士見パノラマリゾートは標高1000mの高原に位置し、眺めも美しい

「富士見パノラマリゾート」は、中央アルプスと南アルプス、八ヶ岳連峰に囲まれた標高1000mの高原に位置しており、周囲には、夏でも過ごしやすい絶好の環境が広がっている。富士見パノラマリゾート内にメイン会場が設営され、設定されたクロスカントリーとダウンヒルの特設コースでオフロード種目のレースを行い、メイン会場をスタートゴールに設定したツーリング種目がスタートしていく。魅力あふれる富士見近郊の環境をフルに生かして展開する一大イベントと言えるだろう。
期間中、メイン会場には、複数の出展ブースが並ぶ。オフロードバイクを中心に、さまざまな試乗車に乗ることができたり、関連アクセサリーの販売があったりと人気だったのだが、今年はここに新しい試みも盛り込まれ、会場内のレイアウトも一新された。



会場にはたくさんのブースが並ぶ

今年登場し、注目を集めたのは「6Wheel(ホイール)&Camping(キャンピング)ゾーン」。「6Wheel」とは、自転車の2wheel(2輪)と自動車の4wheel(4輪)とを合わせた言葉であり、「クルマと自転車を組み合わせ、よりアクティブにアウトドアライフを楽しもう」という提案だ。この会場には、近年、注目を集めているルーフ上に開く「ルーフトップテント」など、まさに最新のギアが並び、クルマをベースに据え、アウトドアを自在に楽しむ新しいライフスタイルのモデルケースが展開された。



「6Wheel&Campingゾーン」ではクルマと自転車でアウトドアライフを満喫する、さまざまな提案が。ルーフトップテントは最近人気が高いそうだ



美しい自然の中に、広々と空間を使い、構えたクルマは、もはや「基地」レベルだ

中には、本格的な「基地」とも言える規模のものも。クルマは、うまく使えば、こんな新しい世界が広げられるのか。目から鱗が落ちるような感覚だった。豪邸を建てるのは大変だが、景観のよいフリースペースに停め、週末だけの豪華な基地を展開し、そこから自転車で周囲の環境を満喫するということになれば、ぐっと現実的になる。これはとても貴重な提案と言えるかもしれない。クルマの使い方を変えることで、週末の楽しみが、さらに色濃くなる可能性がありそうだ。

また、会場には今年も「バイカーズマルシェ」がオープン。地元の新鮮な高原野菜や、地域の人気ベーカリーから選び抜いた上質なパンやサンドイッチ、ベーコンなどが販売され、お土産に買い求める方も多かった。



「バイカーズマルシェ」には、採れたて野菜が並ぶ



諏訪~八ヶ岳エリアで人気のベーカリーからセレクトしたパンが並ぶ。どれも上質だ

※各レースがスタート!次のページへ→

メインとも言えるオフロードのレースは、クロスカントリーとダウンヒルの2種類が同時に展開された。クロスカントリーでは、フラットハンドルのMTBに加え、ドロップハンドルのレースも拡大開催されていた。さらに、リフトを使って繰り返し走行できるアップダウントレイルが設定され、何度も繰り返し走り、タイム計測もできる「Trail Ride+(プラス)」が新登場し、参加者は「走り放題」の自由を楽しんだようだ。



今年初登場の「Trail Ride+(プラス)」。リフトを使い、何度も走行できる



気持ちよくトレイルを走る

クロスカントリー部門の初日は、キッズレースからスタート。この日、日中は富士見らしからぬ暑さに見舞われ、暑さ対策が重要な課題となったが、子どもたちは試走から全開の元気さで、コースを駆けめぐっていた。疲れも見せず、やる気に満ちた子どもたちは、もちろんレースも、スタートから全開。年々、子どもたちのバイクにまたがる姿勢がこなれて、バイクさばきもうまくなってきている感があるが、キッズライダーを指導したり、競い合う大会を開催したり、という熱意ある元選手たちの動きが功を奏しているのだろうか。



元気いっぱいのキッズレース。学年に応じ、コースが切り替えられる



大人顔負けのテクニックとガッツでコースを駆けめぐるキッズライダー。一般レースにエントリーして上位でフィニッシュするキッズも登場

午前の最後は「2時間エンデュランス」。ソロ~4人組のグループで2時間コースを走り、走行距離を競い合うレースだ。参加者たちは、快調にコースを飛ばし、先頭はハイペースの戦いとなった。もちろんリザルトを気にせず、それぞれのペースで周回を刻んでもOK。交代と休憩を挟み、環境を満喫しながら「気持ちいいペースで」走行したチームも少なくなかったようだ。



「交代」もチーム戦の重要な要素。メンバーが明るく元気に送り出す



エンデュランス競技の際には、交代エリア付近に待機用のテントが並ぶ



コースを走る参加者たち



林間もエキサイティングだ

今年は、初日の昼にも未就学児の自転車かけっこ「ミルキー」が設定された。例年、帰路に着く前のお楽しみ的に2日目の最後に開催されており、隠れた人気観戦種目であったが、今年は2日間、両日に拡大開催されることになった。乗り物は保護者が押すベビーカーでも、「車輪的なモノ」が付いていればOK。0歳児から参加できる。時には、大泣きする幼児を親が運ぶ「泣き相撲」的な様相を見せることもあり、見ていて飽きない種目である。今年も小さな精鋭たちが、パパママや、兄弟と一緒に美しい芝生エリアを駆け抜け、皆をなごませていた。



未就学児の自転車かけっこ「ミルキー」が両日開催に拡大!あまりのかわいらしさに、皆、釘付けになってしまう

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画像:シマノバイカーズフェスティバル、編集部