■ラグビーを語ろう モノマネのレパートリーに「リーチ・マイケル選手」があるレイザーラモンRGさん。本人公認のモノマネですが、ラグビーファンの反応に少し驚いたそうです。 ――リーチ・マイケル選手のモノマネは、何がきっかけですか。 「2015年…

■ラグビーを語ろう

 モノマネのレパートリーに「リーチ・マイケル選手」があるレイザーラモンRGさん。本人公認のモノマネですが、ラグビーファンの反応に少し驚いたそうです。

 ――リーチ・マイケル選手のモノマネは、何がきっかけですか。

 「2015年のワールドカップ(W杯)イングランド大会で日本が南アフリカを倒した次の日が、京都での番組ロケでした。当時は、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズのモノマネばかりでしたが、一緒にロケをしていたジャングルポケットから『リーチ・マイケルに似てますよ。ジョブズのまま、いけるんじゃないですか?』と言われたのが始まりです」

 「ただ、みんな知識がない。ラグビーショップを探し、日本代表のユニホームが売り切れだったので、赤っぽいユニホームとピチピチの短パンをはいて。とりあえずSNSで『リーチ・マイケルです』っていっぱい写真を載せました」

 「すると、それを見たリーチさん本人からDM(ダイレクトメッセージ)が届きました。『モノマネありがとうございます。もしモノマネをするなら、僕のユニホームを送りますので着てください』と。W杯後にユニホーム2着とパンツやソックスなどをほんまに送ってきてくれました。今着ているのがそれです」

 ――これまで、数々の著名人をモノマネしてこられました。リーチ選手のネタの反響はいかがでしたか。

 「僕はラグビー経験がないですし、ラグビーを全然知らなかったけど、やっぱり本人からユニホームを頂いてるっていう“印籠(いんろう)”みたいなのがあって。『あいつはリーチさん本人に認められてる』と。一目置かれているのかなと感じます」

 「やっていることは、見た目を本人に寄せてワンチームって言うだけなんですけどね。それでも『わあ、リーチさんだ』と言ってもらえます」

 「リーチさんと実際に会うことなんて、簡単にはできないじゃないですか。でも、リーチさんのまねをしているRGには会えたわ、みたいな(笑)。何だろうな、有名な神社の支社のような存在ですかね。ありがたがられるという意味では他のモノマネとはすごく違いますね」

 ――モノマネをしてから、ラグビーに対するイメージは変わりましたか。

 「ラグビーファンの皆さんがすごく温かい。他競技のスポーツ選手やアイドル、アーティストのモノマネをした時って、『やめろ』みたいな声があるものです。賛否はあって当然だと思っています」

 「でも、ラグビーでは否定的なことを言われたことが一切ありません。ファンを含めてラグビー界全体が本当にワンチームなんだなって。ラグビーを見てる人たち、やってる人たちの心の広さみたいなものを感じますね」

 「こちらが素人でラグビーのことをよく分かっていなくても、『教えます、教えます』みたいな優しさがあります。リーチさんはこういう動きをするよ、とか、試合中にはこうやって休むよ、とかも。中川家さんをはじめ、ラグビー経験者の芸人仲間も本当に親切に教えてくれますね」

 ――4月にリーチ選手を取材した際、「RGはすごく面白い。ああやってラグビーを盛り上げてくれるのはありですね。面白くなかったら『やめてください』って言うけど(笑)」とおっしゃっていました。

 「わあ……。それが聞けて良かった。リーチさんは日本を代表するアスリートですからね。迷惑をかけていないか、ちょっと不安だったんです。僕も生半可な気持ちではやってませんから。コロナ下で体重もちょっと減ってたんですけど、食って戻してますもん。筋トレもしてユニホームが似合うような体に鍛えています。ぶかぶかだと面白くないじゃないですか。4年に1回、ミーハーではありますけど、きっちり仕上げてます」

 ――リーチ選手と日本代表へエールの意味も込めて、お得意の「あるある」をもらえますか。

 「はい、これはリーチさんが毎回言うあるあるなんですけど。『優勝、と言いがち。全試合勝つ、と言いがち』。このマインドから学ぶことは多いです。自分はどの舞台もどの収録も『今日は1番俺がウケる。ウケてやる』と思って出ています。その気持ちでいった方がウケなくてもヘコまない。攻めた結果なので。『これぐらいでいいだろう』と守りの姿勢で終わった方が悔いが残る。だから『絶対、俺が1番』のリーチ・マイケル精神で毎回臨んでいます」

 「W杯に比べればちっちゃいことですけど、今年、日本テレビの『ものまねグランプリ』でMVPを取りました。これもリーチさんのおかげです。日本代表って、今までの練習試合とか、ちょっと前の成績とかに関係無く、本番でグッと力を上げるチームですよね。だから、リーチさんの言うように、優勝が『あるかも』と僕は思っています。優勝、お願いします!」(聞き手・松本龍三郎)

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 あーる・じー 1974年生まれ、熊本県出身。立命館大在学中の97年、HGさんとレイザーラモンを結成。歌舞伎役者の市川海老蔵(現・團十郎)さん、米大統領ドナルド・トランプ氏ら数々の著名人をモノマネ。「あるある言いたい~」と歌いつつ、なかなか言わないスタイルが人気。吉本興業所属。