夏は熱中症のリスクがあり、激しい運動は推奨されていません。特に長時間のランニングはこまめな水分補給など細心の注意が必要となり、何も知識を持たずに行うのは非常に危険です。とはいえ、「夏でも大好きなランニングを楽しみたい」という方もいるはず。…

 夏は熱中症のリスクがあり、激しい運動は推奨されていません。特に長時間のランニングはこまめな水分補給など細心の注意が必要となり、何も知識を持たずに行うのは非常に危険です。とはいえ、「夏でも大好きなランニングを楽しみたい」という方もいるはず。そんな方は、トレイルランニングに挑戦してみてはいかがでしょうか。自然の中を走る爽快感たっぷりの“トレラン”。その方法や魅力についてご紹介します。

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トレイルランニングの魅力とは

 トレイルランニングとは、舗装されていない山道などを走る競技のこと。「トレラン」の通称でランナーに親しまれており、登山とランニングの2つの要素を組み合わせたスポーツです。道路を走る一般的なロードランニングとは違い、路面が不整地であること、激しい傾斜があることが大きな特徴。そのため初心者には敷居が高いと思われがちですが、それ以上にトレランはたくさんの魅力に溢れています。そんなトレランについて、まずはオススメするポイントを4つご覧ください。

普段味わえない自然を体感できる

 澄んだ空気、花や木が揺れる音、川のせせらぎ、鳥の鳴き声など。普段の生活とは異なる“大自然”を肌で感じられるのがトレラン最大の特徴です。

走るたびに変わる景色

 普段ランニングする場所といえば、家の近所や公園の周回コースなどが主流でしょう。しかしそれだと、毎回同じ景色で飽きてしまいますよね。トレランは大自然を走るため、角を曲がるたびに景色がどんどん変わっていきます。また、桜や紅葉など四季折々の風景を楽しむことができるのも、大自然を駆け抜けるトレランならではの醍醐味です。

難しさゆえの奥深さ

 トレランは登山と同様に、突然の雨や虫刺されなどに気を配らなければいけません。また、山道は木の幹がむき出しになっているところもあり、走り方もロードランとは異なります。そのため難易度は高いですが、それゆえの奥深さ、達成感を味わうことができるでしょう。

すべて走らなくてもOK! 自分のペースで楽しめる

 トレランは、なにもコースすべてを走らなければいけないわけではありません。時には立ち止まり、こまめに休みながら自然を鑑賞するなど、自分のペースで楽しめます。

山を走る際の心得。準備とマナーを大切に

 山には天候や寒暖差など、不確定なリスクがあります。特に標高の高い山では遭難の危険性も高く、あらゆる対策が必要です。また、山を走る際には他の登山者への配慮も欠かせません。誰にも迷惑をかけず楽しむためにも、しっかりとした準備を怠らないようにしましょう。

<リスクマネジメント>
・最初は難易度の低い山、近所の里山や起伏の富んだ公園などから少しずつ慣れていく
・慣れないうちは経験者や仲間と行動を共にする
・熱中症や脱水症、高山病の対策を怠らない
・非常食、水分、雨具、防寒具、地図類、ライト類は必ず携帯する
・装備は軽量でコンパクトなものを選ぶ
・事前の天候チェック、コースチェックは怠らない
・ハチや毒虫、クマなどの野生動物に要注意する

<マナー・モラル>
・ゴミは必ず持って帰る(捨てない、落とさない)
・トレイル(山道)を外れない
・ハイカー、登山者を追い抜く際は必ず歩く
・すれ違う人へのあいさつを忘れない
・イヤホンは身に付けない(危険)
・自然は大事にする(現状維持)

初心者がトレランを楽しむポイント

 中には、「やっぱりトレランは初心者には敷居が高いかも」と感じる方がいるかもしれません。しかし冒頭でも述べた通り、トレランの基本は登山と変わりありません。山を走りに行くというよりは「山を楽しみに行く」という気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 トレランには、「何km走らなければいけない」というルールは存在しません。道が険しくなったら歩き、なだらかなコースになったら走る。登山道が複数ある山なら、難易度の低い道からチャレンジするのも良いでしょう。そんなマイペースな楽しみ方でも、立派なトレランです。

 毎週末は厳しいかもしれませんが、この夏の間にぜひ1度はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。新しいランニングの楽しみ方が見つかるかもしれません。 

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<Text:松永貴允/Photo:Getty Images>

《参考リンク》
・日本トレイルランニング協会
http://www.trail-japan.com/