埼玉県所沢市は、8月にブダペストであった陸上の世界選手権・男子400メートルで日本記録を32年ぶりに更新した同市出身の佐藤拳太郎選手(28)=富士通=に9日、市民体育館で特別顕彰を贈った。 市立狭山ケ丘中出身の佐藤選手は、豊岡高(入間市)…

 埼玉県所沢市は、8月にブダペストであった陸上の世界選手権・男子400メートルで日本記録を32年ぶりに更新した同市出身の佐藤拳太郎選手(28)=富士通=に9日、市民体育館で特別顕彰を贈った。

 市立狭山ケ丘中出身の佐藤選手は、豊岡高(入間市)入学後に陸上競技を開始。めきめきと頭角を現し、城西大在学時には数々の世界大会で日本代表に選出。2016年のリオ、東京五輪で男子1600メートルリレーの代表に選ばれた。

 世界陸上では、いきなり予選で44秒77を記録、91年の高野進選手の記録44秒78を塗り替えた。早大の大学院で昨年、400メートルのレース展開や動作解析などを学んだのが役立ったという。

 「レースへの考え方が変わった。今年は日本記録を出せると思っていた。今回の記録が限界値ではなく、まだ修正点がある」。来年のパリ五輪では「最低でも決勝に残ること」を意識しているという。

 佐藤選手は中学では野球部に所属。高校でも最初は天文学部に入部したが、「リレーメンバーが足らないから」という友人の誘いが陸上を始めるきっかけになった。「いつ、どこで記録が伸びるか分からない。つらくなっても続けることが大事」と語った。(深津慶造)