ワールドカップ(W杯)フランス大会は熱戦が始まった。2015年のW杯イングランド大会で南アフリカ代表を破った立役者の一人、元日本代表FBの五郎丸歩さん(37)=静岡ブルーレヴズ・クラブ・リレーションズ・オフィサー=に、日本の1次リーグの展…

 ワールドカップ(W杯)フランス大会は熱戦が始まった。2015年のW杯イングランド大会で南アフリカ代表を破った立役者の一人、元日本代表FBの五郎丸歩さん(37)=静岡ブルーレヴズ・クラブ・リレーションズ・オフィサー=に、日本の1次リーグの展望や注目選手などを語ってもらった。

 ――W杯に向けた強化試合で日本代表は厳しい戦いが続きました。

 「過去にも、大会直前に思い通りの戦いができないことはありました。そこを乗り越えてチームが一つになり、15、19年大会と成功しています。同じような形でしっかりと結果を残してほしいです」

 ――チームがうまくいかないなか、本番でこれまでの戦い方を変える可能性はあるでしょうか。

 「FB山中亮平選手のメンバー落選で、今までやってきたエリアを獲得していくロングキックをやめたのかなと思いました。SHやSOからのキックはもちろんありますが、縦へのキックはかなり減るかもしれません。高く蹴り上げて味方の再獲得を狙うキックを使いながら、ボールの保持率を少し上げていくのではと思っています」

 ――五郎丸さんが出場した15年大会は、W杯でそれまで1勝しかできていなかった日本が優勝候補の南アフリカ代表を倒しました。

 「当時、W杯を知り尽くしているのがヘッドコーチ(HC)のエディ・ジョーンズ(現オーストラリア代表HC)さんしかいませんでした。彼を信じてついていくしかなかった。とはいえ、どうしても自分たちの中で不安が最後の最後まで残りました」

 ――スポーツ史に残る番狂わせを起こすチームも、試合前から自信満々とはいかなかったのですね。

 「直前にやったジョージア代表との試合で、スクラムが初めて止まったんです。ジョージアとはその3年前から試合をして、スクラムでは全く歯が立たなかった。世界でもスクラムの強さが知られているチームです。そのジョージアにスクラムが安定したということは、我々にとって非常に大きなポイントになりました。今の日本もきっかけ一つで、チーム力が上向く可能性はあると思います」

 ――日本の注目選手を挙げてもらえますか。

 「キャプテンの姫野和樹選手です。過去2大会のキャプテンはリーチ・マイケル選手でしたので、久々に日本出身選手が務めます。副キャプテンも日本出身の流大選手。外国出身の選手たちをどこまで引っ張っていけるか。日本ラグビー界としても楽しみな部分です」