(写真:Getty Images) 17日にラ・リーガの強豪セビージャをホームに迎えて行われた一戦。サマーブレイクの中断期間を前にJ1首位に立ったC大阪としては、昨季のラ・リーガ4位の相手にどこまでやれるのか。腕試しになるとともに、全体の底…

(写真:Getty Images)

 17日にラ・リーガの強豪セビージャをホームに迎えて行われた一戦。サマーブレイクの中断期間を前にJ1首位に立ったC大阪としては、昨季のラ・リーガ4位の相手にどこまでやれるのか。腕試しになるとともに、全体の底上げを図るまたとない機会となった。試合前から相手にボールを握られる展開は承知の上、ポゼッションでは劣っても、粘り強い守備から攻撃につなげる形を何度繰り出せるか。C大阪の戦い方は明確だった。 

 ただし、実際に対峙したセビージャのボール回しはC大阪の想定を越えていた。今季のチームを立ち上げたばかりとは言え、セビージャの選手一人ひとりの技術の高さは疑いようがなく、C大阪としてはボールの取りどころが定まらないまま、ステヘン・ヌゾンジを中心とした相手の攻撃を受け続けた。[4-4]で作る守備ブロックの間にいとも簡単に侵入され、前半のボール支配率はセビージャ72%に対してC大阪は28%。「セビージャはミスが少なく、僕たちは走らされて、疲れる状況になった」(山村)。「プレッシャーを掛けようか、掛けないか、そういった微妙な立ち位置を取るのが、(セビージャの選手は)ものすごくうまかった」(木本)。選手たちも、その厳しさを肌で感じる前半となった。チームの肝になっていたアンカーのヌゾンジが退き、セビージャの運動量が落ちた後半こそC大阪が押し込む展開を作り、一矢報いたが、終わってみれば、セビージャのうまさ、強さばかりが印象に残る試合となった。

 もっとも、普段は対戦できない相手と対峙したこの試合を今後に生かすこと。それが大切だ。今季はリーグ戦の第2節で浦和に完敗したあと、公式戦11戦負けなしを記録。第10節で柏に敗れたあとも、ここまで公式戦13試合負けなしを続けている。敗戦のたびに、それを教訓にしてここまで戦ってきたのが今季のC大阪だ。J1首位に立ったこのタイミングで臨んだセビージャ戦に完敗したことで、チームはあらためて初心に戻り、チャレンジャー精神を持って戦うことを誓い、22日のJ1第22節・浦和戦へ挑む。

文・小田 尚史