2031年に奈良県内で開催予定の国民スポーツ大会(国スポ、現・国民体育大会)の県準備委員会(会長=山下真知事)が31日、奈良市の県コンベンションセンターで開かれた。12競技の会場については了承されたが、まだ多くの競技については未定で、25…

 2031年に奈良県内で開催予定の国民スポーツ大会(国スポ、現・国民体育大会)の県準備委員会(会長=山下真知事)が31日、奈良市の県コンベンションセンターで開かれた。12競技の会場については了承されたが、まだ多くの競技については未定で、25年3月までに選定することが確認された。

 準備委員会は県や市町村、スポーツ競技団体などの代表約200人で構成される。この日はまず常任委員会が開かれ、事務局が計38ある正式競技と特別競技のうち、生駒市のレスリングや宇陀市のウェートリフティングなど、12競技の会場について「第1次選定」として提案、了承された。

 しかし、残る多くの競技会場が「未選定・調整中」の状態。競技会場は開催県が選定した会場を各競技団体が視察して正式に決まるため、視察が想定される25年度までに開会式、閉会式をする「主会場」も含めて選定を進める方針を決めた。

 続いて開かれた総会では、国スポのための新たな施設は整備せず、既存の公的施設を改修して使用するほか、民間施設の利用も検討するという山下知事の方針を説明。橿原市に整備予定だった競技場の計画凍結を受けて焦点になっている陸上競技の会場については、ロートフィールド奈良(鴻ノ池陸上競技場)を改修して使用する方向で県と奈良市が協議中であることも報告された。

 委員からは「県内の施設の老朽化は深刻。改修するにも市町村の財政は苦しく、県主導で進める必要がある」「県内に競技団体の基準を満たす施設が少なすぎる。新しい施設を求める各団体の声にも耳を傾けて欲しい」という声が相次いだ。(今井邦彦)