ギネス世界記録に認定された最高齢の女性クロスカントリースキーヤー、佐伯克美さん(88)が8月23日、地元の富山県魚津市で講演した。今春、世界大会に初出場し、最高齢記録を更新するなど新たな挑戦を続ける。「今日と同じ明日のために、いまできるこ…

 ギネス世界記録に認定された最高齢の女性クロスカントリースキーヤー、佐伯克美さん(88)が8月23日、地元の富山県魚津市で講演した。今春、世界大会に初出場し、最高齢記録を更新するなど新たな挑戦を続ける。「今日と同じ明日のために、いまできることを楽しむのが私の生き方」と、はつらつと語った。

 講演会は市文化協会が主催。佐伯さんは、市内の小学校長を退職した60代以降の様々な活動を、写真とともに紹介した。

 64歳で真冬の剱岳に登頂し、70歳の時には、凍結した間宮海峡(ロシアの大陸側とサハリンの間)をクロカンスキーで横断。昨年、87歳で全日本マスターズスキー選手権に出場し、ギネス世界記録に認定された。さらに、マスターズの世界大会に誘われ「通用するのか?」と当初はためらったという。

 県内や国内の大会に参加を重ねて70代の選手をしのぐタイムも出し、「やればできる」と自信を深めた。今年3月、オーストリアで開かれた世界大会へ。同じ日にあった2種目、各5キロを全力で滑り、85歳クラスで金メダルを二つ獲得した。「他の選手に平地で離されたけれど、下りで追いつき上りで抜いた」と述べ、会場を沸かせた。

 栄養士や元五輪選手に助言を受けるなど、「一人で滑ったのではなく、多くの方に支えられたおかげです」。フィットネスクラブでの鍛錬に加え、夏の間は山歩きをしたり、ガイドを引き受けたりすることが、元気の源だという。参加者から健康や食生活のこつを問われ、「毎日、体を動かすなど必ず何かをする」「この年になると食事を作るのは大変だけれど、しっかり食べます。たんぱく質や野菜をとるよう気をつけている」と答えた。(佐藤美千代)