8月29日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」日本代表(FIBAランキング36位)の馬場雄大が、同日夜に行わ…

 8月29日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」日本代表(FIBAランキング36位)の馬場雄大が、同日夜に行われる1次ラウンド最終戦・オーストラリア(同3位)戦へ向けた公開練習後の取材に応じた。

 格上のフィンランド(同24位)から金星を挙げた歴史的な夜から中1日、日本は勝てば史上初となる2次ラウンド進出が決まる状況で、グループ1勝1敗で並ぶオーストラリアとの直接対決を迎える。アジア勢でここまで唯一の白星を挙げている日本にとっては、パリオリンピック出場権を巡る競争においても重要な一戦。仮にオーストラリア戦に敗れ2次ラウンド進出を逃したとしても、17-32位決定ラウンドに得失点差などが引き継がれることから、いかに大敗しないか、1ポイントも無駄にできない戦いとなる。

 チームへの貢献度を表す指標EFF(エフィシェンシー)でドイツ戦+17、フィンランド戦+8の成績を残している馬場は、「いったん勝ったことは忘れて、今日の試合にチーム全員で全力を注ぎたい」と大一番へ向けて集中。2次ラウンド進出の可能性を残してオーストラリアと戦うことになり、「最高のシチュエーションだと思います。ここで勝てば、ほぼほぼパリ五輪出場が決まる。望んでいたシチュエーションだと思うので、何よりも楽しむことを忘れずにやりたいと思います」と、落ち着いた口ぶりで語った。

 これまで日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチが説いてきた「スピード」、「3ポイント」、「粘り強いディフェンス」が噛み合ったフィンランド戦の劇的勝利は、驚きを持って世界中に発信されたが、前夜のチーム練習後には「今日の試合に勝ってこそショック・ザ・ワールド、世界に衝撃を与えよう」と指揮官が選手を鼓舞。海外でプレーしてきた馬場は「スピードやディフェンスへのアグレッシブさだったりは僕たちだけのもの」と胸を張りつつ、「僕たちのバスケットボールはなんぞや、ということは常に表現していきたい」と力を込めた。

 オーストラリア代表は9人のNBAプレーヤーを擁する超強豪国。日本はドイツ戦と同等か、それ以上に厳しい戦いを強いられることも予想されるが、かつて“馬場のディフェンスに苦しめられた”という男もいる。過去2試合連続で先発出場しているガードのジョシュ・ギディー、現在NBAオクラホマシティ・サンダーに所属している20歳の次世代スターだ。2人はオーストラリアリーグ(NBL)に所属していた2020-21シーズンに対戦しており、馬場(当時メルボルン・ユナイテッド)と対峙したギディー(当時アデレード・サーティシクサーズ)は「彼とのマッチアップは悪夢だった」と後に語っている。

 約2年ぶりの再戦となる馬場は「あの試合は彼にとっても僕にとってもNBLで最初の試合だった。その時の彼は18歳ということもあって、今のようなプレーではなかったですけど、確かに彼の持っているバスケはチームとしてやらせなかったかなと思う」と当時を振り返り、「そのイメージは常に持っています。今夜は楽しみにしています」とも話した。

 戦前に“死の組”とも言われた厳しいグループEで、最終戦まで2次ラウンド進出の望みをつないだ日本代表。フィンランド戦に続いて世界を驚かせることはできるか。運命のオーストラリア戦は、今夜20時10分ティップオフ予定。試合の模様はテレビ朝日系列で生中継、DAZNとTVerでライブ配信される。

【動画】感動をもう一度!日本vsフィンランドの試合ハイライト