25日に日本、フィリピン、インドネシアの3カ国共催で開幕したバスケットボールの男子ワールドカップ(W杯)で、日本代表の初戦となったドイツ戦(沖縄アリーナ)の客席の一部が空席だった問題が波紋を広げている。 満員の会場での試合を期待していた日…

 25日に日本、フィリピン、インドネシアの3カ国共催で開幕したバスケットボールの男子ワールドカップ(W杯)で、日本代表の初戦となったドイツ戦(沖縄アリーナ)の客席の一部が空席だった問題が波紋を広げている。

 満員の会場での試合を期待していた日本の選手、コーチから不満の声が出ている。

 ドイツ戦のチケットは完売していたはずなのに、日本のベンチ正面スタンドには空席が目立った。試合後、日本のトム・ホーバスヘッドコーチは記者会見で「うちのベンチの前に誰もいない。試合前は満席と聞いていたのに、満席じゃない。次はみんな来てください」と残念がった。

 渡辺雄太は26日、自身のX(旧ツイッター)で、「チケット欲しくても手に入らなかったって人たくさんいるって聞いているのに、ベンチ前の席ガラガラだったの意味がわからなすぎる」(原文ママ)などと投稿した。

 国際バスケットボール連盟(FIBA)は26日、大会エグゼクティブディレクターのデービッド・クロッカー氏の声明として「該当席は複数の法人により購入された座席で、理由は不明ですが昨日開催された試合に来場されませんでした。現在この件について調査を行っており、以降の試合において同様事案がなきよう、最善を尽くして参ります」と発表した。

 また、日本バスケットボール協会と組織委員会は連名で「選手たちが満員の観客の前でプレーできる環境を実現し、バスケットボールの素晴らしさを全ての方々にお伝えするべく関係者一同努めてまいりましたが、結果としてそれをかなえることができず、大変遺憾に思います」と陳謝した。

 ドイツ戦の観客数は国際バスケットボール連盟(FIBA)の発表で6397人だった。同アリーナを本拠とするBリーグ1部・琉球がホストした5月の横浜BC戦では、アリーナ史上最多となる8541人の来場を記録していた。

 ただ、世界中に映像が配信されるW杯は、多くのカメラやメディア席などを設置する関係で、通常時より収容数が減っていると見られる。関係者によると、収容は6500人~7千人になっているという。

 似たような問題は、2019年に日本で開催されたラグビーW杯でも起きた。

 国際統括団体がスポンサー向けに確保していた席に人が来ず、まとまった空席が出たことがあったという。チケット販売に関わった組織委員会の元幹部は「空席が目立つ場合、近くにいたお客さんをその席に移動してもらって会場の見栄えをよくしたことはあった」と振り返った。(野村周平)