(25日、バスケットボール・男子ワールドカップ1次リーグ ドイツ81―63日本) 大粒の汗を流しながら、渡辺雄太は敗因を端的に指摘した。「3ポイントを決められるかどうか、だけだった」 試合開始から約4分。味方をフリーにするために相手の動きを…

(25日、バスケットボール・男子ワールドカップ1次リーグ ドイツ81―63日本)

 大粒の汗を流しながら、渡辺雄太は敗因を端的に指摘した。「3ポイントを決められるかどうか、だけだった」

 試合開始から約4分。味方をフリーにするために相手の動きを妨げる「スクリーンプレー」で、中央付近の3点ライン外側でフリーになった。富樫勇樹にバウンドパスをもらい、きれいな弧を描いたボールをリングに吸い込ませた。自身の2本連続3点シュートで8―10に詰め寄った。会場は早くもお祭り騒ぎになった。

 だが前半は、このあとリングに嫌われ、4本連続で失敗した。「自分のシュートが入っていたら、展開が変わっていたと思う」。実戦は右足首を負傷した15日のアンゴラとの強化試合以来。「言い訳はしたくない」と話していたが、本調子とは言えなかった。相手には着実に加点され、22点差で折り返した。

 平均身長で7・5センチ低い日本は3点シュート頼み。それを見抜かれていた。3点シュートが得意な選手には厳しく守られ、それ以外の選手にはシュートを誘うように緩く守られた。

 直前の強化試合3戦でチーム最多の計12本を決めた富永啓生は徹底的にマークされた。途中出場した第1クオーター(Q)から、パスさえ簡単にもらえない。「負けている状況でタフショットを打つと、余計に流れが悪くなる」。打った3点シュートは大勢が決した第4クオーター(Q)の2本のみで、成功は1本にとどまった。出場時間はチーム内で4番目に少ない12分42秒だった。

 3点シュート成功率はチーム目標の40%に対し、この日は17%。海外勢に体格で劣る日本にとって、この数字が物語る意味は重い。

 トム・ホーバスHCは、「ドイツは間違いなく、いい守りだった。(3点シュートの数)35本は悪くない。心配していない」と前向きに振り返った。フィンランド戦(27日)への教訓になればいいのだが。(高橋健人)

 ホーバスHC 「守備を計画通りに遂行できなかった。でもドイツは(強化試合で)中国に49点差で勝った。日本は18点差。よくやったと思う」