8月25日から9月10日にかけて開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。4年に一度の世界一決定戦を前に、…

8月25日から9月10日にかけて開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で注目すべきナショナルチームをピックアップした。

文=秋山裕之

■ 上々の調整を経てW杯本大会へ


 2008年から2021年まで、アメリカ代表は現在オリンピック4連覇中ながら、中国で開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」では7位と低迷。2014年以来、2大会ぶりの王座奪還をかけて25日に幕を開ける「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」へ臨む。

 今大会から指揮を執るのは、アシスタントコーチとしてグレッグ・ポポビッチ前HC(ヘッドコーチ/サンアントニオ・スパーズ)を支えてきたスティーブ・カー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)。ロスターは2019年のW杯、2021年の東京五輪に出場した選手が皆無で、平均年齢は24.6歳と若く、全員が20代というフレッシュな布陣。コーチ陣もカーを除くと一新した。

 とはいえ、アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)やタイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)、ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)、ブランドン・イングラム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)というオールスター経験者やジェイレン・ブランソン(ニューヨーク・ニックス)、ミケル・ブリッジズ(ブルックリン・ネッツ)など有力な選手たちがロスターを形成。

 高さのあるスペイン代表やドイツ代表に苦戦しつつも、ここまでのエキシビジョンゲームは5戦負けなし。先日『FIBA』へ公開されたワールドカップ出場国のパワーランキング第3弾でも堂々1位と、トレーニングキャンプ開始から約3週間で、アメリカ代表は着実にチーム力を伸ばしてきた。カーHCはウォリアーズのオフェンスの一部をこのチームへ取り入れており、「ややこしいことはしていないが、うまく遂行しようとしている」と話していた。

■ 次代を担う若きエースは必見


 ワールドカップはNBAプレーオフのように4戦先勝のシリーズではなく、いずれも一発勝負のため、ドイツ戦のように2ケタのビハインドを背負うこともあるかもしれない。それでも、ハリバートンが「僕らはしょっちゅう話しているんだ。(相手が僕らのことを)恐れていることはもうないんだとね」と話したとおり、優勝候補のアメリカ代表に慢心はない。

 今大会のロスターにはオールNBAチームやMVP級の超大物こそいないものの、所属チームで得点源を務める選手が複数おり、いざとなれば個の力で局面を打開できる選手がいることは間違いなく強みとなる。

 なかでもドイツ戦でゲームハイの34得点をたたき出し、エキシビジョンゲーム5試合のうち4戦でチーム最多得点を奪った22歳のエドワーズは、指揮官も「彼が紛れもなくエース」と絶賛するほど台頭しており、スコアラーとしてさらなる飛躍を遂げるかもしれない。

 普段は対戦相手として競い合う現役NBA選手たちが、アメリカ代表チームとなって共演する姿は必見。そしてカーHCの下、選手たちの関係やコート内外におけるケミストリーは良好のため、今大会の優勝候補筆頭と言っていいはずだ。

【アメリカ代表メンバー】

#4 タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)

#5 ミケル・ブリッジズ(ブルックリン・ネッツ)

#6 キャメロン・ジョンソン(ブルックリン・ネッツ)

#7 ブランドン・イングラム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

#8 パオロ・バンケロ(オーランド・マジック)

#9 ボビー・ポーティス(ミルウォーキー・バックス)

#10 アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

#11 ジェイレン・ブランソン(ニューヨーク・ニックス)

#12 ジョシュ・ハート(ニューヨーク・ニックス)

#13 ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)

#14 ウォーカー・ケスラー(ユタ・ジャズ)

#15 オースティン・リーブス(ロサンゼルス・レイカーズ)

【動画】エドワーズが34得点!アメリカvsドイツの試合ハイライト