静岡県 御前崎市出身 17歳のプロサーファー、佐藤 李(さとう すもも)。幼少期からハワイでサーフィンに慣れ親しみ、2021年にプロデビュー。そして2023年7月にモルディブで開催されたASF ASIAN SURFING CHAMPIONS…

静岡県 御前崎市出身 17歳のプロサーファー、佐藤 李(さとう すもも)。幼少期からハワイでサーフィンに慣れ親しみ、2021年にプロデビュー。そして2023年7月にモルディブで開催されたASF ASIAN SURFING CHAMPIONSHIPS 2023(サーフィン・アジア選手権)では、日本代表として参戦し見事2部門で優勝(U-18, WOMENS)を果たしており、今後の活躍がより一層期待されている。

更に今月末の8月24日からは彼女の地元・御前崎市で、男女QS1000「OMAEZAKI Pro 2023」が開催される。そちらの大会出場も控えている中、FINEPLAY編集部は佐藤 李選手にインタビューを敢行。サーフィンを始めたきっかけや、海外の大会での経験、そして地元・御前崎の大会への意気込みなどを存分に語っていただいた。

佐藤 李(以下:S)


写真:本人提供

まずはサーフィンを始めたきっかけから教えてください

S:サーフィンを始めたきっかけは、母親がプロのウィンドサーファーなんですけど、その影響もあって生まれた時から毎年夏に2~3ヶ月ぐらいハワイのマウイ島に家族で行っていたんです。なので、家族の影響もあってハワイで自然にサーフィンを始めた流れですね。

日本ではどこでサーフィンすることが多いのですか

S:基本的には御前崎ですることが多いです。あとは静波に「静波サーフスタジアム」というウェーブプールがあるので、波がない時にはそこに行って練習しています。

サーフィンを競技として認識したタイミングはいつ頃なのでしょうか

S:私がハワイにいた時も周りには選手としてサーフィンをやっている人が多かったです。なのでもともと競技としては認識していましたが、自分がプロサーファーを目指して本格的に練習を始めたのは小学校5~6年生だったと思います。

実際にプロを目指そうと思ったきっかけはありますか?

S:ハワイでは上手な男の子もいっぱいいたんですけど、女の子も可愛くてサーフィン上手い子がいっぱいいました。一番はそこに憧れたのが大きいですね。なのでハワイでの経験は今の自分にとても大きな影響があると思っています。

ハワイでのご自身の体験が今に活きているんですね。日本では普段どういった練習をしているのですか

S:海には午前2時間の午後2時間で、合計4時間くらい入っています。他にもプールでの練習もフォームの改善にすごく役立つので、プールの練習も一日1~2セッションは入れたりしています。その他にも体幹トレーニングなど、フィジカル面でのトレーニングもしています。

お母さまがプロのウインドサーファーということで、普段は一緒に練習や研究などをするのですか

S:普段は、母がビデオ撮影をしてくれて、ビデオを見ながら一緒に研究したりしています。母がやってるのもウインドサーフィンのウェイブという種目で、波や体の使い方とかは共通点があると思いますが、サーフィン専門のコーチに指導をしてもらうことも多いです。
母が結構研究好きで、いつも動画を見比べて振り返ったりしているので、その影響は大きいですね(笑)

海外で得た経験から感じた「手応え」

昨年からは海外の大会にも多く出場されている姿を拝見していました。実際に海外で感じる日本と違う要素などはありますか

S:日本と海外で違うところはやっぱり波ですね。今年1年で本当にたくさん海外に行かせてもらったんですけど、 どこも波が全然違います。特に海外は日本よりも波のサイズがあって良い波が多いと思います。人によると思いますが私は日本の小波が苦手なので、綺麗に割れたりサイズがあるパワーのある波の方が自分の良さを出しやすいと思ってます。


写真提供:アジアサーフィン連盟

逆に海外で難しかったことはありましたか

S:やはり日本に比べると、宿のシャワーが水しか出なかったり、そもそも水の量が少なかったりすることがありました。あとは現地の食事が辛くて食べれないこともあったので、そこに合わせるのは難しかったですね。

そんな中で先日は「ASF ASIAN SURFING CHAMPIONSHIPS 2023」での優勝おめでとうございます!まずは優勝という結果を受けていかがですか

S:現地ではすごく良い波だったので、そこで高得点を出せて優勝できたのはすごい自信になりました。あとは日本代表で試合に出たのも初めてだったので、周りの選手や男子の選手からも学ぶことが多くて、良い経験になったなと思っています。
あと今回の大会はコーチとしてROXYのチームでも一緒の大村奈央ちゃんがついてくれました。そこで初めてコーチの安心感を感じました。例えばコーチから波が何分おきに来るとか、そういった指示があるだけで安心してヒートに臨むことができたのでその存在は大きかったです。


写真提供:アジアサーフィン連盟

様々な実績を残されている佐藤選手ですが、ご自身の中で具体的に成長を感じたタイミングはありますか

S:私自身、幼少期から夏はハワイに行っていたこともあって、日本のアマチュアの大会にはほとんど出てこなかったんです。でもコロナの影響でハワイに行けなくなって、そこから日本でサーフィンの試合に出始めてプロにもなれたのですが、まだまだ試合慣れとか試合運びとかを自分自身わかってない部分が多いと思っています。でも昨年の6月にあったクルイ(インドネシア)の大きな大会で、5位に入れたんです。それはすごくびっくりしたというか、手応えを掴んだ実感はあります。
特に私は試合経験がほかの人と比べて少ない分、負けても勝っても常に成長しているなって思うことは多いです。

今、競技を頑張られている原動力は何が一番大きいと思いますか

S:それは多分、試合ですね。試合を回ると負けて悔しい気持ちもあるんですけど、 それより他の海外の選手を見て刺激を受けて、次も練習頑張ろうっていう原動力になっていると思います。女の子でも海外のサーファーはすごいところに攻めたりするので、そういうの見て「自分もこういうところを攻めていきたい」と思うことが多いので、それで練習も頑張れています。

OMAEZAKI PRO 2023に懸ける想い

今年も御前崎市でOMAEZAKI PRO 2023が開催されます。地元で大会が開催される率直な想いを教えてください

S:まず地元で大会開くために、ローカルのサーファーがたくさん動いてくれていて、とても感謝しています。あとは大会のチラシが配られることで、多分サーフィンの知名度が御前崎の中でも上がって、サーフィンがもっと盛り上がればいいなと思います。

昨年のWhite Buffalo OMAEZAKI Proにも出場されていて感じたことはありますか

S:昨年感じたのは、思った以上に観客がたくさん来てくれました。御前崎のロングビーチの大きい階段にもたくさん人が来ていることにびっくりしました。ローカルの人も、私も含めて地元の選手が出るときに、すごい応援してくれていて感謝の気持ちがあふれました。

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今回のOMAEZAKI PROの注目ポイントがあれば教えてください

S:大きな大会なので御前崎市民じゃない方もたくさん観戦に来ると思いますが、御前崎でレベルの高いサーファーが大勢集まるチャンスってなかなかないと思うので、とても見ごたえがあると思います。ぜひ注目してほしいです。
あと御前崎には、なぶら市場っていう市場があるんですがカツオとか海鮮系の刺身が美味しいし、その場で魚を焼いてもらえたりもするので、そういった面も楽しんでいただけたらと思います!

今大会の目標もお願いします!

S:地元なのでもちろん優勝が目標です。でもそれがプレッシャーになって空回りもしたくないので、まずは勝ちにこだわらずに自分のいいサーフィンをすることの方に集中したいなと思っています。

最後にプレイヤーとして今後の目標も教えてください

S:WQSというツアーのアジアタイトルはまだ取っていないので、そこでタイトルを取ってアジアランキング上位に入り、次のWCSシリーズに入ること、そして将来的にはその次のWCTという世界のトップツアーに入ることも目標なので、そのためにもしっかり結果を残していきたいです。
あとは、海に関心を持つことの大切さも伝えていきたいです。特に日本は海外に比べてビーチにゴミ箱がないのでゴミが多い印象があります。普段から私もビーチクリーンをしていますが、ゴミ箱を設置するだけでゴミは少しでも減るんじゃないかなって思っています。もっと海を賑やかにするには海に関心を持つことがすごく大事な事だと伝えていけるように、私も発信もしていきたいです!

佐藤 李 プロフィール


写真:本人提供

静岡県御前崎市出身、2005年10月20日生まれの17歳。幼少期からハワイでサーフィンに慣れ親しみ、当時高校1年生の2021年にプロデビュー。また、母は現役のウィンドサーファーであり、今もなお女王としてトップに君臨している。昨年から海外の大会にも挑戦し着実に実績と経験を積み上げてきている。波乗りジャパンとしてU-18世代の日本代表にも選出され、今後の期待がかかる注目のサーファーである。

The post 「プロサーファー 佐藤李が目指す世界への道のり」OMAEZAKI PRO 2023 大会直前インタビュー! first appeared on FINEPLAY.