宮城県のスポーツランドSUGOで7月22日、23日に開催された「FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)」の第4戦。TEAM Fukushimaから新型日産『フェアレディZ』で参戦している末永直登選手が、決勝トーナメントのトップ32…

宮城県のスポーツランドSUGOで7月22日、23日に開催された「FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)」の第4戦。TEAM Fukushimaから新型日産『フェアレディZ』で参戦している末永直登選手が、決勝トーナメントのトップ32を勝ち抜いて見事に優勝を果たした。

そこで注目したのが、CF Lab(シーエフラボ)によって制作された天然由来素材(ナチュラルファイバー)のカーボンボンネット。4輪のアフターパーツメーカーでは初めての試みとなる。開発と性能試験を重ねて研究を重ねていた同製品が、今回のFDJで初めて実戦投入*され、デビューウィンを飾ったのだ。*Super Formulaの走行テストではエンジンカウルにて試験済

そこでシーエフラボの代表を務める菅野 拓氏に話を伺った。CF Labは福島県に本拠地を持ち、オリジナルかつパフォーマンスの高いカーボンアイテムを制作している。また独自の「VaRTM工法」は、ドライカーボン並みの軽さとコストパフォーマンスを両立する製法。その他にもユーザーや企業の課題を解決すべく、様々な企業と協力しながら独自性の高い製品開発や販売を行っている。

また昨今の地球温暖化や環境問題に対して課題となる二酸化炭素(CO2)の排出。従来のカーボンファイバーでは石油由来のカーボンの生産およびそれらの廃棄が課題となっていた。そこで解決策の1つとしてナチュラルファイバーが考案され、シーエフラボが“オール福島”をテーマに主に福島県内の企業と協力して取り組んでいる。従来の石油由来の素材を使用せず、CO2排出量の削減を目的にナチュラルファイバーボンネットが制作された。

ナチュラルファイバーの開発において、選定された材料の1つが同じく福島県に位置するアルテクロス社の「バサルト繊維」。これを童夢社の「ampliTex」と組み合わせることで、意匠にも拘った織り目を実現した。構造としてはハニカム素材とバサルト繊維をサンドイッチすることで、強度と見た目の美しさを両立。カーボンの織り目だけでなく、天然素材ならではの風合いも特徴的だ。

市販化にむけた材料の選定や生産の効率化、その他にも耐久性などの課題は残っているが、モータースポーツに通用する製品として機能要件を問題なく実現したナチュラルファイバーボンネット。今週末はFDJ第5戦奥伊吹が開催されるので、末永選手の走りとともに注目してみてほしい。