作新学院高校(宇都宮市)のボクシング部の練習中、生徒がけがをして入院する問題があり、指導をしていた外部コーチが5月に退任していたことが分かった。同校の聞き取りに対して、コーチは「生徒に精神的に強くなって欲しいと思い、スパーリングの相手をし…

 作新学院高校(宇都宮市)のボクシング部の練習中、生徒がけがをして入院する問題があり、指導をしていた外部コーチが5月に退任していたことが分かった。同校の聞き取りに対して、コーチは「生徒に精神的に強くなって欲しいと思い、スパーリングの相手をしていた」と述べた上で謝罪しているという。

 同校によると、男性コーチは40代前半で、同部出身の元プロボクサー。

 昨年9月、国体を前にした練習で、スパーリング中に部員がリング上で倒れた際、コーチのひざが偶発的に部員の下腹部にあたったという。当時、部員の父親が練習を見に来ていた。部員は下腹部のはれがひかず数日間入院をした。

 このコーチの指導のあり方を不安視する部員の声があり、同校が今年4月、全部員の約30人に聞き取りをした。その中で、練習時間が長い▽コーチのスパーリングのやり方にけがの心配がある――といった声があがった。学校側は5月、コーチと話し合いの場を持ち、本人が退任した。

 同校は取材に対して「暴力、体罰は確認されていない。そういった保護者の訴えもない」と説明している。警察への相談もしていないという。「指導のやり方に一部不安の声があるものの、このコーチに戻ってきて欲しいとの声もある。これ以上の対応は考えていない」と話している。(山下龍一)