開志国際高校(新潟県)、東山高校(京都府)、福岡第一高校(福岡県)の強豪校と並び、日本航空高校(山梨県)が初のベスト4まで勝…

 開志国際高校(新潟県)、東山高校(京都府)、福岡第一高校(福岡県)の強豪校と並び、日本航空高校(山梨県)が初のベスト4まで勝ち上がった。

 関東王者として乗り込んだ「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」は、シード校の一角として大会2日目からの出場。東海大学付属諏訪高校(長野)との初戦を6点差で競り勝ったチームは、ここから勢いに乗った。

 7月27日の北陸学院高校(石川県)では、第3クォーターで29−8としたほか、ベンチスタートの中西哲太(2年)が5本の3ポイントシュートを含む28得点と奮起。後半にたたみ掛け、最終スコア102−67で圧倒した。

 28日の準々決勝は第1クォーターから報徳学園高校(兵庫県)を29−15と引き離すと、そのまま押し切って19点差で勝利を収めた。快進撃を続けるチームの現状について、山本裕コーチはこう言及する。

「我々はシード校で、勝ち上がりのチームとの対戦でしたのでやっぱり初戦が大事でした。その第1クォーターを持ちこたえたことが良かったです(19−22)。昨日、今日の試合はベンチプレーヤーも得点に絡んでくれたのでプレータイムをシェアできましたし、スタートの5人を少し楽にさせることができました」

 チームは前述した中西がシューターの役目を全うし、報徳学園戦でも4本の3ポイントを記録。先発の藤野仁喜(3年)と大道一歩(2年)はそろって3試合連続2ケタ得点を挙げている。

 そして、大黒柱の“ジェリー”ことオルワペルミ・ジェラマイア(2年)は、この大舞台でもハイパフォーマンスを披露。初戦から順に37得点29リバウンド8ブロック、26得点32リバウンド5ブロック、24得点26リバウンド1ブロックをマークして相手の脅威となり、山本コーチも「上手くいかなくても試合の中で修正してくれていますし、彼がディフェンスを引きつけてくれることでアウトサイド陣もいい形で得点できています」と手応えを感じているようだ。

 準決勝は、優勝候補の開志国際との初対決。「胸を借りるつもりで、チーム一丸となって開志国際という高い山と戦えるように頑張りたい」。指揮官は控えめに明日を見据えたが、富樫英樹コーチとは互いに中学の教員をしていた頃からの間柄だという。

「私も元々は中学校の教員で、富樫先生が本丸中にいた頃はしょっちゅう交流させてもらいました。高校の舞台で戦うことができて感慨もひとしおですし、今日も少し話をさせてもらいましたが、本当に先輩に胸を借りるつもりで精一杯頑張ります(笑)」

 一方の富樫コーチも「本丸中の時にけっこう練習試合をやりましたよ」と当時を懐かしみ、山本コーチとの対戦を楽しみにしていた。「お互い中学校から高校に飛び込んで頑張ってきたので、明日は楽しみです。頑張ります」

 明日は両コーチのやりとりにも目を向けると、より試合を楽しめそうだ。

文=小沼克年

写真=伊藤大允