木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第28回 今年6月、20年ぶりぐらいにゴルフの腕前が復活しました。自分でもへっぽこゴルファーで生涯を終えるのかと思っていたのですが、いったいどうしたことでしょう。 その一部始終を報告します。 自分の35年…

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第28回

 今年6月、20年ぶりぐらいにゴルフの腕前が復活しました。自分でもへっぽこゴルファーで生涯を終えるのかと思っていたのですが、いったいどうしたことでしょう。

 その一部始終を報告します。

 自分の35年にわたるゴルフ人生において、腕前のピークは2001年の頃ですかね。大きな競技で優勝し、クラブハンデが12になりました。その後もダラダラと頑張ってはいたのですが、2011年の東日本大震災でゴルフどころではなくなり、低迷期に入ります。

 そこから、ず~っと長いトンネルに入り......というか、年齢的にもシニアに近くなり、飛距離も衰え、「もうこれ以上、ゴルフで成長することはない」と思っていました。あとは静かに平均90台の中頃のスコアを維持し、呼ばれたラウンドだけ参加して"お呼ばれゴルファー人生"を全うしようと覚悟していました。

 ところがどっこい、2023年に入って事態は一変します。

 6月に4ラウンド連続で80台が出たのです。その後も頻繁に80台が出て、7月にはハーフ39の快挙まで達成。生涯ハーフ30台は出ないと思っていた分、びっくり仰天です。これは、全盛期だった2001年の雰囲気と似ています。

 じゃあ、長かった低迷期と比べてどう変わったのか。細かく説明していきたいと思います。

(1)腕前復活のきっかけは?
 それには、最初に伏線があります。2022年の秋、新たに扶桑カントリー倶楽部のメンバーになりました。人生最後の会員権と思って購入しました。

 メンバー入り後は月イチでコースに通うようになるも、最初は頑張りすぎて空回り。逆にスランプに陥りました。

 そこから基本に立ち返り、昔の勘を取り戻そうと、頻繁に練習場通いを始めたのです。最低でも週1~2回。1カ月で5~6回は行くようになって、スコアが安定し出しました。

 今は月に3~4回のラウンドの前に、練習日を設けて練習しています。そこで、「フック気味のドライバーをなんとかする」とか、「アプローチの距離感を合わせる」とか、常に課題を持って練習してきました。それが、よかったのかもしれません。

 練習環境が変わったのも、よかったと思います。いつも行っていた練習場が3月で閉鎖され、ちょっと遠い練習場に通うようになったのですが、そこにはバンカー練習場があり、しかも30分500円。貸し切りで打てます。だから、みっちりバンカー練習にも取り組めるようになり、これによって俄然、ショートゲームに強くなりました。

(2)復活後の飛距離は?
 あくまでも全盛期の頃の雰囲気に似た復活です。年齢的には40代から60代となってシニア入りしていますから、飛距離はだいぶ落ちています。

 全盛期のアイアンと比べれば、飛距離的には1番手以上、落ちました。ゆえに、ミドルホールでのパーオン可能距離は、昔なら400ヤードでしたが、今は360ヤードぐらいでしょうか。

 でも、グリーン周りはアプローチでカバーし、長いミドルホールでも"寄せワンパー"を取れたりします。その結果、80台を出せるようになったのだと思います。

(3)現在のハンデはどの程度か
 冒頭で触れましたが、全盛期のクラブハンデは鶴舞カントリー倶楽部における12が最高。JGAの提出ハンデで計算した場合、最高9.7というのがあって、半年ぐらいシングルプレーヤーでいた時期がありました。

 じゃあ、今はどうか?

 冬のスランプの時に、ホームコースの扶桑CCで取得した22というハンデキャップ証明書を持っています。けど今は、4週連続の80台ですから、もう少しうまいかな、と。

 同年代で一緒にゴルフをやっている、同じレベルの人たちのハンデが16~18ぐらい。今の実力からして、そんな感じかなと思います。

(4)クラブセッティングは?
 実は14本のクラブのうち、7割は20年前と同じクラブを使っています。

 新しくしているのは、ドライバー。現在、ヤマハの『ドライブスター』というのを使っていて、これがなかなかよろしいのです。グリップが細いのが気になり替えましたが、それ以降、握りやすくなって当たりがよくなりました。

 同様に、5番ウッドはキャスコの『UFOシリーズ』。そして4番UTから下は、マグレガーやキャスコ、ツアーステージなど、古いクラブばかり使っています。

 自分の考えではミドルアイアン&UTは、飛距離より方向性&安定性と思っているので、使い慣れているクラブが一番いいのではないでしょうか。ただ、ドライバーは年々性能がよくなっているし、見栄の部分もあったりするので、なるべく新しいものを使うようにしています。

(5)自らが優位に立てる位置でのプレー
 シニア入りして80台を連発し、「ゴルフは楽しい」と思えるのは、やはり自分が一番輝いているポジションでゴルフをしているからだと思います。要するに、レギュラーティー以外ではゴルフをしません。レギュラーティーだと、時々80台が出ます。それが、自信につながるんですよね。

 20年前の競技ゴルフでは、バックティーからラウンドしていました。今、そんなことをしたら、軽く100を叩いてしまうでしょう。

 扶桑CCでは、Bクラスのメンバーはレギュラーティーで月例に出場できます。こういうラクなセッティングでラウンドするから、好成績を残せるのです。

 じゃあ、競技ゴルフを復活するのか?

 会員権を買った時はそう思っていましたが、今のゴルフ環境が居心地いいので、そこは壊したくないです。昔馴染みのゴルフ仲間と冗談を言いながらラウンドし、そのなかでそこそこのスコアを出しているほうが、精神衛生上ラクです。

 たぶん、今年は競技に参加することはないでしょう。競技に出るなら、しっかり練習して臨まねばならないので、かなりの労力を使います。だから、その課題は来年以降の持ち越しとします。



ゴルフが楽しめていると、仕事もプライベートも充実してくるものなんですよね

(6)ゴルフ、仕事、プライベートの"三位一体"
 昔、ゴルフ全盛の時は仕事もたくさんあり、もちろんプライベートも充実していました。つまり、ゴルフ、仕事、プライベートは密接に関係し合う"三位一体"の関係ということです。

 去年、ふとゴルフ会員権を買ったのは、その三位一体を復活させる前兆だったのかもしれません。会員権価格が500万円(鶴舞CC)から24万円へのコストダウン。ラウンドはレギュラーティーからの仲間ゴルフを続けています。

 そして今、仕事もそれなりに充実しています。プライベートも、家族や社交、夜遊び、趣味などいろいろありますが、それも満足しています。

 だから、今のバランスのいい状態をなるべく壊さず、三位一体を保ち、ゴルフは少しずつレベルアップすればいいと思っています。

 人生は、気の持ちようでいかようにも変わることができる。そして、ゴルフは飛ばなくなったシニア世代でも、楽しく、有意義にプレーすることができるんですね。これからの人生も、ポジティブに捉えて精進したいと思います。