竹俣 紅連載:『紅色の左馬』第1回スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画として、この4月から同番組のMCに就任した竹俣紅アナウンサーの連載『紅色の左馬』がスタートする。第1回では、MCになってからの日々…



竹俣 紅連載:『紅色の左馬』第1回

スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画として、この4月から同番組のMCに就任した竹俣紅アナウンサーの連載『紅色の左馬』がスタートする。第1回では、MCになってからの日々を振り返ってもらいつつ、自らのコーナーである『"元女流棋士"竹俣紅の本命』における裏話などを聞いた――。



 競馬初心者の私が『みんなのKEIBA』のMCを務めるようになって、およそ3カ月が過ぎました。あっという間に競馬の魅力にハマってしまった私としては、「もう3カ月」というよりは「まだ3カ月しか経っていないの?」というのが率直な感想です。

 最初は右も左もわからなかった東京競馬場内も日々散策を重ね、先日はJRAグッズがそろうターフィーショップにも行ってきました。お目当ては、ソダシのぬいぐるみ! だったのですが......、残念ながら売り切れ。念のため、店員さんに確認してみても「倉庫にもありません」とのことでした。

 また、オークス当日(5月21日)の放送では、番組のオープニングで初めて芝コース脇から中継させてもらいました。

 目の前で見るターフは思っていた以上に緑がきれいで、色鮮やかで......、『Live News イット!』のお天気コーナーで共演しているガチャピンがここに立っていたら、どこにいるのかわからなくなってしまうんじゃないかなと、余計な心配をしてしまうほどでした(笑)。

 いつもはスタジオのあるスタンド上部から俯瞰でコースを見ていますが、同じ高さから見るコースは、雰囲気が全然違います。ゴール板を駆け抜けていく競走馬たちをここで見ることができたら、また感じるものも違うのだろうなと思いました。

 こうして、東京競馬場にもせっかく慣れてきたのですが、7月からは夏競馬。しばらく府中とはお別れです。

 さて、自分なりに競馬の勉強も進めてきたこの3カ月。「(自らの競馬への)見方も変わってきているな」と実感する一方で、周囲の人たちからの(自身に対する)見られ方も変わってきたような気がします。

 それを一番感じたのは、先日、競馬場内ですれ違った人に「あっ!? シャンパンカラー!」と言われた時です。

 今までも道ですれ違った人に、「将棋の人だ!」とか「ガチャピンのお姉さんだ!」とか言われることはあったのですが、まさか「競馬の人だ!」ですらなく、「シャンパンカラー!」と呼ばれることになるとは......。

 うれしい反面、シャンパンカラーに申し訳ない気持ちです(苦笑)。

 とはいえ、番組内で私が担当する『"元女流棋士"竹俣紅の本命』のコーナーにおいて、本命に推した9番人気のシャンパンカラーがNHKマイルカップを勝ったおかげで、私自身、競馬を見ることが一層楽しくなり、もっと好きになったことは間違いありません。

 私は同コーナーにおいて、毎週本命馬を予想していますが、そのつど出てきた反省点を次に生かし、自分なりに予想の仕方を前進させてきました。もちろん、NHKマイルカップでのシャンパンカラーの本命予想も、それによって導き出された結果でした。

 でもレース当日、東京競馬場のスタジオに入ってすぐにあらゆる競馬新聞をチェックしてみると、シャンパンカラーはほぼ無印。「データ上はいいのにな」と思いつつも、不安が募るばかりでした。

 迎えたレース本番。期待半分、不安半分で見ていると、シャンパンカラーがデータどおり見事にきてくれました!

 その瞬間はとてもうれしかったですし、その後の思わぬ反響の大きさにも驚かされました。とにもかくにも、一生忘れられないレースになりました。鞍上の内田博幸騎手には本当に感謝です。

 シャンパンカラーのおかげで、いろんな人から予想の仕方を聞かれるようになり、私がどのようにデータ予想をしたか、生放送前に話すYou Tubeも始まりました。簡単に言えば、データによる消去法。過去のレースを遡(さかのぼ)って調べ、マイナスのデータが多ければ消していって、残った馬のなかからプラスのデータが多い馬を本命馬に指名する、といった感じでしょうか。


 そのなかで最近学んだのは、

「コースの違い」を意識すること。きっかけになったのは、今年の天皇賞・春でした。

 競馬ファンのみなさんならご存知のように、京都競馬場は今春まで改修工事をしていたため、過去2回の天皇賞・春は阪神競馬場で開催されていました。同じ芝3200mのレースでも、阪神でやるのと、京都でやるのとでは大きく違う。そんなことを学んだのです。

 NHKマイルカップの時も、直近のレースの成績だけでなく、中山と東京とでは馬によって適性の違いがあることを知って、人気馬でも消すことができ、人気薄でも東京に良績のあるシャンパンカラーを残すことができました。そういった点を重視できたのも、天皇賞・春での学びが生きた結果でした。

 ただ、こうやって毎週学びを重ねてもなお感じるのは、「レース展開を予想するのは難しい」ということです。

 たとえば、良馬場で行なわれた宝塚記念では、ドゥラエレーデがもっとレースを引っ張ってくれて、もう少しペースが速くなると予想していたのですが、ドゥラエレーデは先頭に立ったユニコーンライオンの後ろで落ち着いてしまった。レースがスタートした直後、私は心のなかで「思っていたのと違う!」と叫んでいました(苦笑)。

 思ったよりもペースが速くなったり、遅くなったり。そこは現在、私が直面している課題です。

 ともあれ、私がこんなふうにして、日々競馬の新たな奥深さに気づくことができるのも、『みんなのKEIBA』の出演者や関係者をはじめ、私の周りにいる多くの人たちのおかげです。

 MC就任後にスポルティーバでインタビューをしていただいた時、「競馬の話ができる友だちがほしい」と話したと思うのですが、実はそれ以降、社内でも話しかけてくれる人たちが増えたんです。それまでは面識がなかった社員の人とも、競馬の話で盛り上がったり、私が知らなかったことを教えてもらったりして。

 また、家族も競馬のことをわかるようになってきて、競馬に関する話題が増えました。前はひとりぼっちな感じでしたが、周囲のみんなで楽しめるようになり、ますます競馬が面白くなっています。

 今回、晴れて連載第1回を迎えた『紅色の左馬』。タイトルにある「左馬」とは、「馬」の文字が左右反転で書かれた駒のことで、将棋の世界では縁起がいいとされているものです。競馬の世界でも、馬は必ず左から乗るもので、そこには安全を願うという意味があると聞きました。

 私にとっては小さい頃から馴染みのある"縁起もの"が、競馬の世界にも通じるのかなと思い、これを連載のタイトルにしようと決めました。

 ここでは番組でお伝えしきれなかった競馬にまつわる裏話などを紹介していきたいですし、私自身のことを知ってもらう機会になればいいなとも思っています。これからも『紅色の左馬』を楽しんでいただけたら、うれしいです。


Profile
竹俣 紅(たけまた・べに)
1998年6月27日生まれ。東京都出身。2021年フジテレビ入社。
趣味:おいしいおそば屋さん巡り

 ウォーキング ガチャピン
モットー:元気に、地道に、前向きに

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