7月1日(土)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・ポーランドのデイ3が、ポーランド北東部のミコワイキを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのユホ・ハンニネン/カイ・リン…

7月1日(土)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・ポーランドのデイ3が、ポーランド北東部のミコワイキを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)が総合11位につけた。なお、前日総合3位のヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)は、メカニカルトラブルによりSS16で走行を中止。サービスパークで問題の解決に努め、ラリー2規定に基づき明日のデイ4での再出走を目指す。

競技3日目となるデイ3は、上位勢を含む多くの選手にさまざまな問題が発生し、大荒れの展開となった。トップと6.6秒差でデイ3をスタートしたラトバラは、オープニングステージのSS11でベストタイムを記録。トップと5.8秒差に迫った。そして、以降も2、3番手タイムを刻むなど好調を維持したが、SS16でメカニカルトラブルが発生し、走行を諦めなくてはならなくなった。前日8位のハンニネンは、ターボの過給圧のトラブルや、スローパンクチャーに見舞われたが、粘り強い走りでタフな1日を走破。明日のラリー最終日でのポジションアップとポイント獲得を狙う。

<<トミ・マキネン(チーム代表)>>

昨日のエサペッカ・ラッピ、そして今日のヤリ-マティと2日連続で厳しい1日となってしまいました。ヤリ-マティにはラリーをリードする速さがあっただけに残念です。明日は再出走を予定していますが、まずはクルマに何が起こったのかを精査し、再発防止に全力を尽くします。とにかく懸命の努力を続け、学びを怠らず、改善を続けなくてはなりません。ユホもトラブルフリーの1日ではありませんでしたが、頑張って走り続けてくれました。明日はパワーステージもありますので、ユホとヤリ-マティには、できるだけ多くのポイント獲得を期待しています。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)>>

SS16の途中でクルマにトラブルが発生し、走行を続ける事ができなくなりました。それまではクルマのフィーリングがとても良かったので残念です。ポイントを大量に獲得できる好機を逃したことはシリーズ争いにとって痛手ですが、明日はパワーステージも控えているので、決して諦めず戦い続けます。

<<ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)>>

午前中のステージでターボの過給圧に関するトラブルが発生し、エンジンの回転数を高く保って走る必要がありました。しかし、どうすべきか理解していたので、善処する事ができました。午後は問題は起こりませんでしたが、スローパンクチャーによるタイムロスが残念でした。大変な1日でしたが、重要なのはこのタフなデイ3を最後まで走り切った事です。明日のラリー最終日は、ポイントの獲得を目標に頑張ります。

<<ラリー・ポーランド デイ3の結果>>

1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) 2h10m26.3s 
2 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード フィエスタ WRC) +3.1s
3 ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +25.5s 
4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +1m32.0s 
5 ダニ・ソルド/マルク・マルティ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m43.8s 
6 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC) +2m06.2s
7 ステファン・ルフェーブル/ギャバン・モロー (シトロエン C3 WRC) +2m20.3s
8 マッズ・オストベルグ/オーラ・フローネ (フォード フィエスタ WRC) +2m45.8s 
9 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +3m23.1s 
10 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (シトロエン C3 WRC) +3m34.6s
11 ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム (トヨタ ヤリス WRC) +3m38.0s
24 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +27m49.7s
R エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC)
(現地時間7月1日23時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

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ポーランドからは数多くの優秀なラリードライバーが誕生している。最近ではヨーロッパ・ラリー選手権王者のカイエタン・カイエタノビッチが有名だが、WRCレベルでもっとも大きな成功をおさめたのはロバート・クビサだ。クビサはまずレーシングドライバーとして活躍し、2008年にはF1で優勝を果たした。その後レーシングアクシデントによるブランクを経て、ラリーに活動をシフト。2013年よりWRCへのシリーズ参戦を開始し、同年サポートシリーズのWRC2で5勝を記録してWRC2チャンピオンに輝いた。クビサは最高峰のWRカーでもトップレベルの速さを示し、2年間で14回SSベストタイムを記録した。しかし、現在は活動の場をふたたびサーキットに移そうとしている。 

<<明日のステージ情報>>

ラリー最終日となる7月2日(日)のデイ4は、ミコワイキのサービスパークを基点に、ミコワイキの東側エリアで4本のSSが行われる。SS20、21と、その再走ステージであるSS22、23はいずれもグラベル(未舗装路)が中心のコース。そして最終のSS23は、トップ5タイムを刻んだ選手に対しボーナスの選手権ポイントが付与されるパワーステージとなる。4本のSSの合計距離は59.66km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は243.76kmとなっている。

ヤリ-マティ・ラトバラ
#11号車(ユホ・ハンニネン、カイ・リンドストローム)