6月30日(金)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・ポーランドのデイ2が、ポーランド北東部のミコワイキを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミ…

6月30日(金)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・ポーランドのデイ2が、ポーランド北東部のミコワイキを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が総合3位、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)が総合8位につけた。エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC#12号車)はSS4で車両を破損してストップ。残念ながらリタイアとなった。

毎日のように降る強い雨により、デイ2のグラベル(未舗装路)コースは全体的にウェットコンディションとなった。SSの一部路面は雨水が溜まり、滑りやすい泥状になるなど、タイヤのグリップ力が充分に得られない困難な走行条件となった。しかしラトバラはデイ2最初のSS2で2番手タイムを記録。続くSS3ではベストタイムを刻み、総合トップに立った。さらに、SS4でもトップタイムを記録して2位に対するリードを拡大し、SS7まで首位の座を守り続けた。しかし、午後の再走ステージで路面の轍が深くなると、ラトバラはペースを落とし最終的には総合3位で1日を終えた。また、終始堅実な走りを続けたハンニネンも午後のSSでは深い轍に苦しんだが、それでも総合8位につけた。連続してトップ5以内のタイムを記録し総合5位につけていたラッピは、SS4で右フロントのサスペンションを破損し走行不能に。ダメージが大きかったため、再出走は難しくリタイアとなった。

<<トミ・マキネン(チーム代表)>>

今日は大変な路面コンディションでしたが、ポジティブな要素も多い1日でした。ヤリ-マティは素晴らしい走りで午前中ラリーをリードし、1日が終わった段階でトップを狙える良い位置につけています。上位とのタイム差は小さいので、明日もきっと激しい戦いが続くでしょう。ユホは、誰もが簡単にミスしやすい難しいコンディションをうまく切り抜け、無事に1日を走りきりました。エサペッカはリタイアとなり長い距離を走れずに残念でしたが、きっと何かを学んでくれるでしょう。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)>>

朝のSSはクルマに自信を持つことができたので、良い走りができたと思います。特にハイスピードなセクションでのクルマの動きは良く、滑りやすい路面でも問題はありませんでした。しかし、午後のSSでは雨でコースにとても深い轍ができ、思うように走る事ができませんでした。クルマのセッティングを自分たちで変えようとしたのですが、あのような状況にどう対処すべきか正解を見つける事ができませんでした。ライバルとの差はまだ小さいので戦いはこれからです。明日は最初のSSから攻めていきます。

<<ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)>>

今日は路面コンディションが変わりやすく、大変な1日でした。朝はミスも問題もなく、なかなか良いスタートとなりましたが、午後は深い轍に苦しみました。轍に対して車高が低いと感じたので、SSとSSの間に車高を上げようと試みたのですが、ダンパーが大量の泥に覆われていたため調整を施す事ができませんでした。明日は、できれば少し乾いた路面コンディションになって欲しいですね。

<<エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)>>

SSは泥でかなり滑りやすい状態でしたが、クルマに対して良いフィーリングを感じ、セットアップにも満足していたので、気負わず良いペースで走る事ができていました。しかしSS4の緩い右コーナーでイン側をカットした際、自分のペースノートには記されていなかった岩があり、それに当たってサスペンションを破損してしまいました。長い距離を走れば、更に成長できると確信していましたのでラリーを続けられなくなって残念です。完全に自分のミスですので、これを貴重な教訓として今後の成長に役立てたいと思います。

<<ラリー・ポーランド デイ2の結果>>

1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) 56m21.2s
2 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード フィエスタ WRC) +1.3s 
3 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +6.6s
4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +35.1s
5 ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +39.6s
6 ダニ・ソルド/マルク・マルティ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +51.7s
7 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC) +1m11.0s
8 ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム (トヨタ ヤリス WRC) +1m28.9s
9 ステファン・ルフェーブル/ギャバン・モロー (シトロエン C3 WRC) +1m37.0s
10 マッズ・オストベルグ/オーラ・フローネ (フォード フィエスタ WRC) +1m42.7s
R エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) 
(現地時間6月30日23時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

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ラリー・ポーランドは、数あるWRCイベントの中でも屈指の高速ラリーとして知られる。2016年に関してはラリー・フィンランドに次いで2番目に平均速度が高く、優勝したアンドレアス・ミケルセンの平均速度は時速116.6キロだった。例えば、イベントの中でもっともハイスピードだったシフィエンタイノのSSをオット・タナクは1本目に平均時速125.8キロ、2本目には128.1キロで走行した。今年はSSの距離が去年よりも短くなり、しかもウェットコンディションだったため直接的なタイムの比較はできないが、依然としてシフィエンタイノは非常にハイスピードなSSである。 

<<明日のステージ情報>>

競技3日目となる7月1日(土)のデイ3は、ミコワイキのサービスパークの東北方面を中心に9本のSSが行われる。SS11、12、13、14と、その再走ステージであるSS15、16、17、18はすべてグラベル(未舗装路)が中心のSS。デイ2と同様、1日の最後にはミコワイキ・アリーナでスーパーSSが行われる。9本のSSの合計距離は144.74km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は579.75kmとなっている。

#10号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ)
#11号車(ユホ・ハンニネン、カイ・リンドストローム)
#12号車(エサペッカ・ラッピ、ヤンネ・フェルム)