2021年のオートポリス大会で初優勝したときのジュリアーノ・アレジ(トヨタ自動車提供) 元F1ドライバーのジャン・アレジ氏と女優の後藤久美子を両親に持つ2世ドライバーのジュリアーノ・アレジが、参戦していた国内トップフォーミュラの全日…

2021年のオートポリス大会で初優勝したときのジュリアーノ・アレジ(トヨタ自動車提供)

 元F1ドライバーのジャン・アレジ氏と女優の後藤久美子を両親に持つ2世ドライバーのジュリアーノ・アレジが、参戦していた国内トップフォーミュラの全日本スーパーフォーミュラのシートをシーズン途中で失った。所属しているチームトムスが6月20日、次の第6戦(7月16日決勝、静岡・富士スピードウェイ)からドライバーを笹原右京に変更すると発表した。

【画像】今季の第3戦鈴鹿をドライブするジュリアーノ・アレジのマシン

「チームとしても熟慮いたしました。熟慮の結果、残り4戦の出場を見合わせ、もう一方の国内トップカテゴリーでもあるスーパーGTのドライビングに専念することがアレジ選手の将来の可能性を高めることにつながる、現時点でのベストな選択と判断いたしました」とチームはコメント。シリーズには2021年からトムスで参戦し、デビュー2戦目のオートポリス戦で初優勝を遂げたが、その後は成績が振るわず、今季も8位が決勝最上位でリタイア3回と苦戦していた。

 トムスはスーパーGTへの参戦は継続することを明かしているが、スーパーフォーミュラでチームメートの宮田莉朋が2勝して全5戦とも5位以内でポイントリーダーとなっており、パフォーマンス不足は歴然だった。

 チームの発表を受けてジュリアーノも自身の公式サイトで「スーパーフォーミュラでの結果が期待に沿えられなかったことは承知しているし、いくつかの責任があると思っている。ただ、自分の可能性や能力には自信を持っている。スーパーフォーミュラ・ライツで年間2位になった時、スーパーフォーミュラで優勝できた時にそれを示すことができた」などと自身の心境を示した。

 父のジャン・アレジさんはF1に13年間参戦し、通算1勝。引退後は日本人の血も引く息子のレース活動を支えてきた。ジュリアーノもフェラーリの育成プログラム「フェラーリ・ドライバー・アカデミー」に選ばれるなど将来を嘱望されたが、F1直下シリーズのF2で芽が出ず、21年からは活動の拠点を日本に移していた。

 同年のスーパーフォーミュラでは世界耐久選手権にもエントリーしてフル参戦できない中嶋一貴とトムスの36号車をシェア。一貴の父は日本で初めてF1にフル参戦した中嶋悟氏で、1990年のF1ではジャン・アレジ氏とティレルでチームメートだったことから話題を集めた。

 ジュリアーノは来季以降のスーパーフォーミュラ復帰を目指すが、名門トムスで成績を残せなかったことから新たなシートを見つけるのは厳しいとの見方が強い。とにかくスーパーGTで結果を残して逆風に立ち向かうしかない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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