5月18日に引退会見を開き、今後は卓球の普及に努めたいと話していた元選手の石川佳純さんが6月10日、東京・千代田区立お茶の水小学校で卓球体験イベント「遊ぼう!学ぼう!卓球チャレンジ」に登場。引退会見後初めて公の場に姿を見せた。現役選手の佐藤…

5月18日に引退会見を開き、今後は卓球の普及に努めたいと話していた元選手の石川佳純さんが6月10日、東京・千代田区立お茶の水小学校で卓球体験イベント「遊ぼう!学ぼう!卓球チャレンジ」に登場。引退会見後初めて公の場に姿を見せた。

現役選手の佐藤瞳、芝田沙季、橋本帆乃香、大藤沙月、横井咲桜(ミキハウス)に加え、元卓球選手でスポーツキャスターの平野早矢香さんもファシリテーターとして参加。

豪華な顔ぶれが揃ったこのイベントは、2020年に創業100周年を迎えた卓球用品総合メーカー「ニッタク」(日本卓球株式会社)が卓球界の発展と次世代の育成、地域貢献、卓球競技の認知度向上などを目的に開催したものだ。

今回は小学5、6年生を対象に学校の授業の一環として実施され、石川さんたちは卓球の面白さはもちろん、夢を持ってチャレンジすることの大切さを児童に伝えた。

午前9時に始まった第1部の卓球教室は6台のテーブルに分かれ、フォアハンドとバックハンドの打ち方やサーブ体験などでボールに慣れると、1球交代のラリーに挑戦。最初は緊張気味だった児童たちも大いに盛り上がり歓声が上がった。                                                                                   

また、トップ選手のプレーも披露。ロンドン2012オリンピック女子団体で銀メダルに輝いた石川さんと平野さんがダブルスを組む場面もあり、11年ぶりのペア復活に石川さんは「久しぶりのダブルスで嬉しかった。時の流れを感じる」と感慨深そうだった。

午前10時30分になると第2部のトークショーがスタート。平野さん司会のもと「夢を叶えるための努力やチャレンジ」をテーマに、石川さんとミキハウスの5人が卓球を始めたきっかけや卓球をやる前に習っていたスポーツ、食べ物の好き嫌いなど小学生時代のエピソードを語った。

児童から「挫折しそうな時はどうやって立ち直ったか?」と質問された石川さんは、「何が上手くいってないのかをしっかり分析すること」と答え、「相手選手の技術の何が嫌なんだろう? 何が苦手なんだろう?っていうのを一度考えることができると、どうやったら解決できるんだろうという新しい思考になる。解決方法を考えられるようになると少し楽しくなってくる」と自身の経験をもとに具体的な方法も伝えた。

また、用具のこだわりをたずねられたカットマンの橋本が「ラケットの重さが2~3g違うだけで感覚が違ってくる」と答えると、他選手もこれに頷き、石川さんはラバーを張り替えるたびにラケットの重さを測り、「決まったグラム数があって、ちょっと違うと打ったら分かる。すごく繊細に管理していた」と明かして児童たちを驚かせた。

現役選手たちがオリンピック出場とメダル獲得を目標にする一方、「今日はみんなと卓球をして新たなチャレンジをするエネルギーをもらった」と言う石川さん。

まずは「今月から運転免許を取りに行く。山口県出身なので、まずは山口からドライブをしてみたい」と話していた。


(文=高樹ミナ)

ニッタク 今村均 代表取締役社長

(創業100周年だった)2020年はコロナの真っ最中で地域貢献、卓球の普及活動はなかなか展開できなかったが、ようやく活発になってきている。卓球の総合メーカーとして商品の企画・販売をするのは当たり前。

地域とのつながりを大事にしようということで卓球の普及を目的に地域に貢献していきたい。お茶の水小学校の生徒さんたちに非常に喜んでいただけて目的を達成できたのではないか。

千代田区立お茶の水小学校 伊藤栄司 学校長

みんな楽しそうに声を上げていたのが印象的。上手にご指導いただけて、楽しみながらどんどん上達していく姿が見られた。卓球を好きになってくれた子どもがたくさんいたのではないか