イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3~16日/グラスコート)は火曜日、ショーコートに昨年の準優勝者たちが登場し、そろってストレートセットで勝ち上がった。 通常は女子の前年度覇者のために用意されている、2日目のセンタ…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3~16日/グラスコート)は火曜日、ショーコートに昨年の準優勝者たちが登場し、そろってストレートセットで勝ち上がった。

 通常は女子の前年度覇者のために用意されている、2日目のセンターコート初戦をプレーした第1シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)はイリーナ・ファルコーニ(アメリカ)を6-4 6-4で下した。1番コートでは、第6シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)がヤン レナード・ストルフ(ドイツ)を7-6(5) 6-4 7-6(4)で退けた。

「センターコートに足を踏み入れたとき、たくさんの思い出が蘇ったわ」とケルバー。「ふたたびあそこでプレーすること...それは最高のコートのひとつであり伝統でもある。だから戻ってくることができて本当に素晴らしかったわ」。

 ウィンブルドンで合わせて「10」のタイトルを持つロジャー・フェデラー(スイス)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、勝ち上がるのに3セットすら必要としなかった。彼らはふたりとも、対戦相手が第2セットで棄権し、2回戦進出を決めたのだ。

 ケルバーは、妊娠のため今季の残り期間をツアーから離れている前年度優勝者、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に代わり、2日目のセンターコート初戦のスポットを託された。

 ケルバーは、プロ化後の時代に全仏オープン1回戦で敗れた最初の女子ナンバーワン選手となってしまったものの、グラスコート上では2回戦に進むことに成功した。

「グランドスラム大会の1回戦でプレーすることは常に厳しいもの。特にパリ(全仏)で1回戦負けを喫していただけにね」とケルバーは言った。「実際、私は今日の試合全体を通し自分のリズムを見つけようと努めながら、来るポイント来るポイントだけを考えていたの」。

 ジョコビッチは続いてセンターコートに入り、6-3 2-0としたところで相手のマルティン・クーリザン(スロバキア)が故障のため途中棄権した。第2シードのジョコビッチは第2セット第3ゲームで30-0とリードしていた。

「ロジャーの成績と僕の成績がほとんど同じだっていうのは、本当に奇妙だよ」とジョコビッチ。「ロッカールームで僕らはそのことについて、ちょっとジョークを言い合った。僕らはたぶん、観客をとどまらせて、センターコートで練習の1セットをプレーすべきなんじゃないか、と言い合ってね。でもあとに別の試合があったから(実際には無理だったが)」。

 この勝利でジョコビッチはグランドスラム大会での勝利数のランキングで、ジミー・コナーズ(アメリカ)を追い抜き、「234勝」で単独2位となった。ジョコビッチのあとにセンターコートでプレーし、アレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)を倒した第3シードのフェデラーは、「315勝」でこのリストのトップに立っている。

 ドルゴポロフが棄権を決めたとき、フェデラーは6-3 3-0でリードしていた。

 イギリス・クイーンズで1回戦負けしたラオニッチは、その結果、グラスコートでわずか1試合だけをプレーした状態でウィンブルドンにやって来た。これ以前に、彼がウィンブルドン前にグラスコートで1試合にも勝つことができなかったのは2014年のことで、この年、彼はウィンブルドンで準決勝に進んでいる。

 昨年の彼はそれよりもいい成績を挙げ、最終的にストレートでアンディ・マレー(イギリス)に敗れたものの、決勝を戦っていた。

 とはいえラオニッチはクイーンズで負けたあと、時間を非常に有効に使ったと言った。

「練習に多くの時間を費やしたよ」とラオニッチ。「何日も練習に費やし、何日も続けてそうしていたために、大会開始がますます待ちきれなくなっていったんだ」。

 第29シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は7つのマッチポイントを必要としたが、最終的に21歳のタナシ・コキナキス(オーストラリア)を6-3 3-6 7-5(2) 6-4で倒して2回戦に駒を進めた。

 そのほかの勝者の中には、女子では2015年ウィンブルドン決勝進出者のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、男子では第15シードのガエル・モンフィス(フランス)らもいた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウィンブルドン」1回戦で第1シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)はイリナ・ファルコーニ(アメリカ)を6-4 6-4で下した。(撮影◎小山真司/テニスマガジン)