5月27日放送の「卓球ジャパン!」は、福原愛さんをスペシャルゲストに迎え、南アフリカ・ダーバンで行われた世界選手権(個人戦)での日本勢のメダル獲得の様子をプレイバック。
まずは、平野美宇以来6年ぶりの女子シングルスの銅メダル獲得となった早田ひな。
準々決勝で中国の王芸迪を死闘の末に倒してメダルを決めたが、日本選手が世界選手権の女子シングルスで中国選手に勝ってメダルを獲ったのは、1965年以来実に58年ぶり。
「メダルを獲ったことだけではない価値がある」とMC平野早矢香。
平野が驚かされたのは、早田がラリーで粘りながら機を見てパワーボールを放つという、中国選手と同じ"王道スタイル"で王芸迪に打ち勝ったことだった。
同学年の平野美宇、伊藤美誠が独自のスタイルで早くに結果を出す中、このままの卓球を続けて良いのかという迷いが早田にはあったはずだと平野。
その点でも今回の勝利は果てしなく大きな意味を持つ。
準決勝では今大会優勝した孫頴莎(中国)にゲームカウント1-4で敗れ、決勝進出はならなかった。新境地に達した早田さえ敵わなかった孫頴莎の強さとは何だろうか。
「台上の短いボールの処理とか、打球した瞬間に面を調整する判断とかが王芸迪選手を上回っていました」(福原)
「王芸迪選手はどちらかと言えばワンパターンでテンポが同じなんですが、孫頴莎選手は打点やスピードを変えてくる」(平野)
中国卓球の奥深さを垣間見ることができる孫頴莎の卓球だった。
次にプレイバックしたのは、銀メダルに輝いた張本智和/早田ひなの混合ダブルス準々決勝、イム・ジョンフン/シン・ユビン(韓国)との一戦。
張本/早田は前回の2021年大会でも銀メダルを獲ったが、そのときはコンビネーションがよくなく、それぞれの力で勝ち上がった感じだったが、今大会は混合ダブルスとしてのパターンがしっかりできており、2年前とは比べ物にならないと平野。
「1+1が2とか3ではなく、さらに大きなものになっていくタイミングだったんじゃないかなと思います」と福原も同意する。
コンビネーションの他に際立ったのが、女子の枠を超えた早田のプレーだった。一般的に混合ダブルスでは女子が弱点となるが、早田は男子であるキムのボールを平然と打ち返し、ときにはキムを打ち抜くプレーまで見せた。
「男子と変わらない強打じゃないですか」とMC武井壮も舌を巻く。
「私たちの頃って"女子はまず入れろ"って言われなかった?(笑)」(平野)
「女子はもう"足ひっぱるな"って(笑)」(福原)
ロンドン五輪団体銀メダリストの2人から見ても女子卓球の進化は凄まじい。
最後は、初出場で女子ダブルス銅メダルに輝いた"Wみゆう"こと長崎美柚/木原美悠ペア、準々決勝のマテロバー/バラージョバー(スロバキア)の一戦だ。
長崎/木原はジュニア時代からペアを組んでおり、2019年のITTFグランドファイナルでは孫頴莎/王曼昱を倒して優勝しているが、意外にも世界卓球は初出場。
相手ペアの世界ランクは高くはないものの、ヨーロッパ選手の特徴である、大きな身体による守備力とパワー、そして型にはまらないプレーを備えている。油断は禁物だ。その強敵に対して、木原の絶妙なサーブ、そして長崎のパワーで押し切った。
長崎がヨーロッパ選手顔負けのパワー溢れるバックハンドを決めた場面では、福原が思わず「ヨーロッパ選手が3人いるみたい」と絶賛。
嬉しいメダルを決めた長崎/木原だが、さらなる飛翔に向けた課題を平野と福原が語ると「こんなにいいプレーしててもこんなに課題が出てくるんもんなんですね」と武井。
慌てて平野が「口で言うのは簡単なんです(笑)。私は世界卓球、ダブルスもシングルスもメダル獲ったことないですから(笑)」と言い添えた。
「卓球ジャパン!」BSテレ東で毎週土曜夜10時30分放送