南アフリカのダーバンで行われた「世界卓球2023南アフリカ」<5月20~28日/ダーバン・個人戦>に出場した日本代表選手が30日(火)に帰国。日本代表メダリストによる記者会見が31日(水)都内で行われた。

日本勢は女子シングルスで早田ひな(日本生命)、女子ダブルスで木原美悠/長﨑美柚(木下グループ)がそれぞれ初となる銅メダルを獲得。

混合ダブルスでは張本智和(智和企画)/早田ひな(日本生命)が2年連続の決勝進出を果たし、銀メダルを獲得した。

Q.大会を終えて今の気持ち

今大会、3種目でのメダル獲得を目標に頑張ってきました。女子ダブルスではその目標を達成することができませんでしたが、混合ダブルスでは最低限の目標、そして女子シングルスでは自分自身が最低限目標としていたベスト4を達成することが出来ました。

もちろん嬉しい気持ちはありますが、その先にまだ上がいるなという現実を突きつけられた大会にもなりました。

これからさらに頑張っていくために、自分自身がやることは沢山あると思うので、その目標を達成できるようにこれからも頑張っていきます。

Q.大会を通して印象に残っている試合

混合ダブルスの決勝もそうですし、シングルスの準々決勝・準決勝もそうです。その三つがそれぞれ違った形ですごく印象に残っています。

自分の卓球人生の中で一番記憶に残るだろうと思うのは、やはりシングルスの準々決勝です。今まで自分自身がやってきたことがなかなか結果に結びつかずに、難しい部分もありました。

この大きな舞台で中国選手に勝ち切ることができたのは、自分の中ですごく自信になりました。

その次の準決勝を戦ってみて、またさらに現実を突きつけられて、やらなきゃいけないことが沢山あると感じました。その2つの試合がすごく印象に残っています。

Q.磨いていきたいところ

自分が今持ってるものを全て出し切った中での、今大会の結果だったと思います。

混合ダブルスの決勝に関しては、相手が自分たちのペアを対策してくる中で、やはり自分たちの良さが消されてしまう。その時に、他のことで勝負できる強さというのを見つけないといけないと感じました。

より多くの引き出しを持ったり、練習の中で違うメンタル状態で練習をしたり、そういう部分はすごく大事だと思います。

シングルスの方では、完全に技術の差というのが出ました。本当に「1本の差」になってきているので、そこをどう取り切っていくか、そして技術力をもっと磨いていかないとその土俵に立つことができないと感じました。

早田ひな

Q.歴史に残るような女子シングルス準々決勝。21-19の中でのベストショット

本当にどのショットも究極のレベルになってきていて。試合中にも思っていたのですが、私がレシーブミスをすると、なぜか相手もレシーブミスをするという展開が起きて。

相手のサーブもレシーブも読みも、全てわかってた状態でお互いにラリーの真っ向勝負でやるしかなくて。自分としては、目の前の試合も本当に2人だけの世界で戦っていました。

本当に1本じゃ収まりきらないぐらい全てが自分の中で良いボールだったので、8-10の一番長かったラリーを取ってからが始まりでした。あれがあったからこそ17-18の驚異の粘りとか、最後もう行くしかないと思った20-19のクロス2本のボールがあった。

自分がそこを目指して越えるためにやってきた守備力というのが、あそこの1本で生かされたと思います。

王芸迪選手もあの舞台を楽しんでいたと思いますし、私もあの舞台がすごく楽しくて、最後は後悔のないように頑張ろうと思っていただけです。結果的に、良い方向に繋がって良かったと思います。

Q.今大会を通して自身に点数をつけるとしたら

75点ぐらいだと思います。シングルスで一つの壁を越えられたのはすごく良かったです。

それ以上に、この先険しい道のりがまだまだ続くと思います。今回の結果は嬉しい気持ちもありますが、やはり悔しい気持ちで終わってしまった大会です。

どの種目も最低ライン、最低目標は達成できたかもしれないですが、自分が一番目指している目標ではなかったので、より気を引き締めて、パリ五輪までに間に合わせる気持ちで頑張ります。

Q.来年2月の世界卓球団体戦、パリ五輪選考に向けての意気込み

来年2月の世界卓球は、日本の中での選考レースも熾烈です。私が出られるかどうかわからないくらいのレベルになってきています。

そこで選ばれたとしても、勢いがある選手というのは中国の他にも沢山いるので、打倒中国なんですが、逆に言うと他に絶対負けない力をつけていきたい。

まだまだやることは沢山あるので、しっかり自分の結果を踏まえて、さらに良い結果を出せるように頑張っていきたいと思います。