世界卓球2023南アフリカ<5月20~28日/ダーバン> 27日、女子シングルス準決勝で早田ひな(日本生命/世界ランク10位)が孫穎莎(中国/同1位)と対戦する。

早田は26日の同準々決勝で王芸迪(中国/同3位)にゲームカウント4-3で競り勝ち、すでに平野美宇以来6年ぶりの女子シングルスメダルを確定。

さらに中国選手を破っての日本女子のメダルは、1965年金の深津尚子、銅の山中教子以来となる58年ぶりの快挙だ。

1回戦はジャリ(アメリカ/同105位)と対戦。

アメリカ大陸若手最強の17歳に対して最初は攻めあぐねるも、1ゲーム目の終盤からは修正して強打で点を重ねる。リードを許した第4ゲームも逆転してストレート勝ちを果たした。

2回戦の相手は2022年ヨーロッパ選手権8強のピッコリン(イタリア/同74位)。

早田はミドルへのロングサーブに加えて緩急を織り交ぜた攻めで、ゲームカウント4-0で勝利した。

3回戦は長﨑美柚(木下グループ/同29位)との日本人対決。

石川佳純引退後の日本人サウスポー頂上決戦となったが、フォアミドルへのサーブで長﨑のチキータを封じ、バック対バックで点を重ね、ここもストレート勝ちで突破した。

4回戦は36歳の鉄人カットマン、ソ・ヒョウォン(韓国/同108位)との対戦。

早田はミドルを軸に攻め、勝負どころでバック側に強打を放ち着実に得点。冷静な判断も光るカット打ちで4戦連続ストレート勝ちを果たした。

準々決勝は2021年世界卓球で敗れていた王芸迪(中国/同3位)とのリベンジマッチ。

中盤からはバック側を狙われて得意のフォアハンドを出せない中、ほぼバックハンドだけで応戦する。

激しく競り合うままフルゲームにもつれ込み、最終ゲームでマッチポイントを9回取られる窮地をしのぎ、21-19というスコアで勝利。中国選手を破っての歴史的なシングルスメダルを獲得した。

一方の第1シード、孫穎莎は2回戦から登場して4戦連続ストレート勝ち。

ハン・イン(ドイツ/同9位)、シン・ユビン(韓国/同26位)、サマラ(ルーマニア/同33位)ら各国のエース級を退けた。

その孫穎莎に対し、早田は準々決勝後のインタビューで「相手に何が効くのかを試合の中で探って、一つでも穴を見つけて、攻めていけるように頑張りたい」と弱点を突く決意を語った。

過去の対戦成績は早田の0勝4敗。フルゲームにできたのは、2014年のアジアジュニア・カデット選手権までさかのぼる難敵だ。しかし、かつて早田が「対戦した中では最強」と語っていた王芸迪を下した今、それ以上怖い相手はもういないはず。

小さな体から信じられない豪打を放ち、かと思えばゆるいナックル性のボールでミスを誘う孫穎莎。早田は得意のフォアに加え、王芸迪さえ乗り越えたバックハンド、多彩なサーブレシーブでまずはクロスゲームに持ち込みたい。

日本卓球の歴史をまた変えてくれるかもしれない女子シングルス準決勝は、日本時間20時に開始予定だ。


【早田ひなの女子シングルス勝ち上がり】

■準々決勝
早田ひな 4-3 王芸迪(中国)
4-11/11-3/11-9/6-11/11-9/8-11/21-19

■4回戦
早田ひな 4-0 ソ・ヒョウォン(韓国)
11-5/11-9/11-6/11-8

■3回戦
早田ひな 4-0 長﨑美柚
11-3/11-6/11-8/11-3

■2回戦
早田ひな 4-0 ピッコリン(イタリア)
11-7/11-4/11-2/11-8

■1回戦
早田ひな 4-0 ジャリ(アメリカ)
11-6/11-7/11-8/14-12