5月19日から21日の日程でイタリア・イモラサーキットを舞台に開催が予定されていたF1台6戦エミリア・ロマーニャGPは、大雨による洪水などの影響で全日程のキャンセルが発表された。エミリア・ロマーニャ州では5月に入ってから大雨が続き、洪水など…

5月19日から21日の日程でイタリア・イモラサーキットを舞台に開催が予定されていたF1台6戦エミリア・ロマーニャGPは、大雨による洪水などの影響で全日程のキャンセルが発表された。

エミリア・ロマーニャ州では5月に入ってから大雨が続き、洪水などの災害が発生していた。多くの市民が避難生活を余儀なくされる状況の中、イモラサーキット周辺ではがけ崩れが発生し交通も麻痺。近くを流れるサンテルノ川は水位が上昇して洪水の危険性が増し、すでにパドックの一部は冠水する事態となっている。

F1はFIA、イタリア政府、イタリア自動車クラブ、エミリア・ロマーニャ州、イモラ市、プロモーターや管轄当局との協議を経て、エミリア・ロマーニャGPの全日程のキャンセルを決定。理由としてはファン、チーム、関係者にとって安全にイベントを開催することが不可能であること、また災害救助のための地方自治体や救急サービスにかける負担を減らすためとしている。

これを受けて全チームと全ドライバーがコメントを発表。中止の決定を受け入れるとともに、災害を被った市民への想いと、救急隊などへの感謝の言葉が綴られた。昨年まで2年連続チャンピオンで、今季も現在ランキングトップのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は「私たちはグランプリを中止するというF1と地方自治体の決定を支持します」とし、「私たちの思いは、エミリア・ロマーニャ州の豪雨と洪水によって被害を受けたすべての人々とともにあります。この期間中の安全を確保できるよう、皆様のご尽力をお祈り申し上げます」とSNSに投稿した。

また、チーム、ドライバーは災害復旧に対しての協力も実施している。フェラーリはエミリア・ロマーニャ州に100万ユーロ(約1億5千万円)を寄付。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、滞在していたホテルのスタッフとともに復旧作業を手伝う様子などが報告された。

エミリア・ロマーニャGPは8月への日程変更の選択肢もあったようだが、サーキットはチケットの払い戻しと2024年のエミリア・ロマーニャGPへの振替について発表。ファンが払い戻しか振替を選べる方式どなっているが、この発表により日程を変更して開催はなくなったと考えられる。

関係者はすでに撤去作業に入り、翌週に行われるモナコGPに向け移動が開始された。被災した交通経路など、輸送に関する懸念もあったが、現在のところ順調に進んでいるようだ。

次戦、F1第7戦モナコGPは5月26日から28日の日程で開催される。