ソフトバンクの故障の連鎖が止まらない。11日の阪神戦(ヤフオクD)。3回の走塁でアルフレド・デスパイネ外野手が右太もも裏を痛めて途中交代。試合中に福岡市内の病院で検査を受け、右太もも裏の肉離れと診断された。試合後、工藤公康監督ら首脳陣は、完…

ソフトバンクの故障の連鎖が止まらない。11日の阪神戦(ヤフオクD)。3回の走塁でアルフレド・デスパイネ外野手が右太もも裏を痛めて途中交代。試合中に福岡市内の病院で検査を受け、右太もも裏の肉離れと診断された。試合後、工藤公康監督ら首脳陣は、完治を優先させるために、12日に出場選手登録を抹消することを決めた。

■「飛車角落ち」どころではない―今度はデスパイネが右太もも裏肉離れ

 ソフトバンクの故障の連鎖が止まらない。11日の阪神戦(ヤフオクD)。3回の走塁でアルフレド・デスパイネ外野手が右太もも裏を痛めて途中交代。試合中に福岡市内の病院で検査を受け、右太もも裏の肉離れと診断された。試合後、工藤公康監督ら首脳陣は、完治を優先させるために、12日に出場選手登録を抹消することを決めた。

 この阪神3連戦。10日の試合では、高谷裕亮捕手が右手中指にファウルチップを当てて負傷。右手第三指末節骨骨折と診断され、11日に出場選手登録を抹消された。2日のDeNA戦(横浜)では、開幕から4番を打ってきた内川聖一外野手が空振りをした際に頚椎を捻挫。こちらも出場選手登録を外れている。

 相次ぐ負傷者。開幕時の4番、5番を欠く事態となり、工藤監督は11日の試合後「いるメンバーでやるしかない」と表情を曇らせていた。

 とにかく負傷者が今季は多い。先に挙げた面々だけではなく、チームの主力クラスにも負傷者が続出している。現在、ソフトバンクでチームを離脱している選手と負傷の状況、復帰の時期は以下の通りとなる。

■先発ローテの軸となる投手に開幕時の4番&5番も離脱…

〇和田毅
5月22日に左肘遊離軟骨除去手術。全治3か月で復帰は早くても9月以降。

〇武田翔太
右肩炎症。交流戦中の復帰を見込んでいたが、1軍復帰は延期。早くても、交流戦明けに。

〇千賀滉大
左背部の張り。最短で6月18日に登録が可能だが、復帰時期は不透明。交流戦明けの可能性大。

〇ロベルト・スアレス
右肘トミー・ジョン手術。全治1年で今季中の復帰は不可能。

〇高谷裕亮
今月10日に右手第三指末節骨骨折。全治期間は未定。

〇内川聖一
今月2日のDeNA戦(横浜)で頚椎捻挫。6月13日の巨人戦(東京D)から再登録は可能だが、遠征には帯同しない。交流戦明けの復帰が濃厚。

〇アルフレド・デスパイネ
今月11日に右太もも裏を肉離れ。症状は軽症のようだが、全治期間は不明。早くても、交流戦明けの復帰。

■正念場となる巨人、広島の6連戦

 投手で言えば、和田、武田、千賀と、開幕当初はローテの中心となるはずだった3人が相次いで離脱。東浜、バンデンハーク、中田はローテを守っているが、残りの3枚は石川、松本裕、山田が担う。また、昨季セットアッパーの座を担ったスアレスは来季の開幕での復帰も厳しい状態だ。

 野手では、開幕から4番を担った内川が離脱しており、内川離脱後に4番に入ったデスパイネまで負傷。現状では、ともに、交流戦明けには復帰出来る見通しだが、少なくとも、交流戦残り6試合は主砲2人を欠く状況で戦わねばならない。

 いま、世を賑わしている将棋の世界でいう「飛車角落ち」どころではなく、それを通り越し「飛車角金銀落ち」の状態である。幸いなのは、交流戦終了後に4日間の空き日がある点。内川、デスパイネ、武田、千賀が順調にリーグ戦再開時に復帰すると仮定すれば、この状態はあと6試合に限られる。

 V3を狙う交流戦では11日時点で首位タイ浮上。敵地で戦う巨人、広島との6試合は、ソフトバンクにとって踏ん張りどころとなるだろう。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani