「リポビタンD チャレンジカップ 2017」の第1戦、日本代表×ルーマニア代表戦が6月10日に熊本・えがお健康スタジアムでおこなわれ、日本代表が33-21で熱闘を制した。2019年のラグビーワールドカップで同組に入る可能性がある相手を下し、…

「リポビタンD チャレンジカップ 2017」の第1戦、日本代表×ルーマニア代表戦が6月10日に熊本・えがお健康スタジアムでおこなわれ、日本代表が33-21で熱闘を制した。2019年のラグビーワールドカップで同組に入る可能性がある相手を下し、自信をつける前哨戦となった。

 1万7702人の大入りとなったスタジアム。桜のマークが入った赤いフラッグが揺れた。2年後の自国開催ワールドカップへ向け、期待が高まるビッグウェーブだ。

 先制したのはルーマニアだった。立ち上がり、日本はオフサイドの反則を犯し、ルーマニア代表歴代最多得点者のSOフロリン・ヴライクが約45メートルのPGを決めた。4分には日本がパスを乱してブレイクダウンで絡まれ、相手にショットチャンスを与えて0-6となる。

 しかし、12分に流れが変わった。キャプテンのHO堀江翔太らがタックルで相手ボールをタッチライン外に出させ、クイックスローインからすばやく展開、CTBティモシー・ラファエレがディフェンス裏にキックで転がしたボールをWTB山田章仁が確保し、ゴールに持ち込んだ。SO小倉順平のコンバージョンも決まり、逆転。

 その後、日本が3本、ルーマニアが1本、それぞれPGを決め、16-9となる。そして迎えた37分、日本は再び敵陣深くに入り、CTBデレック・カーペンターからのロングパスを左大外で受けたWTB福岡堅樹がボディコントロールしてインゴールに押さえ、小倉のキックも好調で、23-9となって折り返した。

 日本は後半早々、敵陣22メートルライン付近で外から内に切り込んだFLリーチ マイケルが抜け、トライ。2015年ワールドカップ以来、1年半ぶりの日本代表復帰となった元主将の活躍でチームは活気づいた。
 その後、PGで加点し33-9と大きくリード。

 しかし、今年のラグビーヨーロッパ・インターナショナルチャンピオンシップ(欧州セカンドグループの6か国対抗戦)で優勝していた世界ランキング16位のルーマニアはしぶとかった。

 55分(後半15分)、得意のスクラムでペナルティを得て敵陣深くのラインアウトチャンスとなったルーマニアは、モールドライブからキャプテンのNO8ミハイ・マコヴェイが抜けてトライ。
 65分にはゴール前のスクラムで再び優勢となり、走り込んできたCTBシオネ・ファカオシーレアがパワフルにゴールラインを割り、33-21となる。
 大型FWを活かして優位に進めるルーマニアに対し、日本はイエローカードで1人を欠いたこともあって受け身となり、反則を重ねた。

 それでも、その後のピンチを耐えた日本。
 終盤、次々と投入されたフレッシュレッグの選手たちがエナジーをもたらし、タフで厳しいテストマッチを勝ち切った。

 日本代表は1週間後の17日、静岡・エコパスタジアムで世界ランキング4位のアイルランド代表に挑む。